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星野:創業5年半で28店舗を出店し、しかも赤字店舗がひとつもないというのは、市場のニーズ以外に御社の強みがあるかと思うのですが、どのような強みがありますでしょうか?
福嶋社長(以下福嶋):まず店舗に関してお伝えしますと、リサイクルショップは個人経営が多く、雑然としているのが一般的ですが、当社は小売業の基本でもある店舗のきれいさに注力しました。 総合リサイクルショップの「良品買館」では、最低でも200坪以上、大きな店舗になると600坪とし、きれいなディスプレイ、思わず立ち寄りたくなる陳列など、リサイクルショップとは思わせない店作りを心がけました。
私たちは店作りのコンセプトを「プチ百貨店」としています。
小さい百貨店のような明るくきれいなお店を作ろうと。
「ここ新品のお店じゃないの?」と思ってもらえるような店作りですね。 もちろんきれいなリサイクルショップは、たくさんありますが、これを意識として持ってやっていますね。
また社内では、店舗間で定期的にコンペを実施しています。 8月はトイレのコンペを実施していて、どの店舗が一番また来たくなるトイレを行っているかを競っているのです。 優勝しても賞状と粗品を渡す程度なのですが、各店舗かなり力を入れていて、中にはテーマパークの様なトイレにしている店舗もあります。 これはトイレをきれいにするという目的もあり、実施しているのですが、店舗の活性化にもつながっています。
今月は各店舗のトイレに行くと非常に面白いと思いますよ。
また当社の強みとしてもうひとつ上げられるのは、現場の意思を重視している点です。 「現場で思ったことはすべてやりなさい。その責任は俺が取る。」と全社員に伝えています。失敗して注意するということはまずありません。
リサイクルショップの運営というのは、お客様から商品を買い取る仕事が一番重要です。 しかしお客様から商品の買い取る際に、中にはニセモノが混じっていることがありますから、本物かニセモノか判断しづらい商品は、当社では買取できませんと本物を返してしまうのが一般的です。
現場ではどうしても会社に損はさせないようにと考えてしまうんですね。 でも、「迷ったら買いなさい。」と社員には伝えています。これは大丈夫と感じたら、自分の感性で判断をしなさいと伝えています。それが正しい選択なんだと。 こうして本物を返してしまうことの方が、ニセモノを買い取ってしまうことよりリスクが大きいと私は思っているのです。
ですので、当社の倉庫にはニセモノがたくさんありますよ(笑) しかしニセモノを買い取ってしまうことで良い物を逃すことなく、またニセモノを買い取ってしまった本人の勉強になるのです。
やはり失敗を責められなくても、本人は覚えているんですよ。
またニセモノと本物を並べて、社員教育にも活用しています。どちらが本物でしょうかと。
お陰で社員の商品を見極める真贋能力は、非常に高まっています。
こうして現場にゆだねることで、店舗のやる気もつながり、お客様の満足度にもつながるのです。
これが当社の強みになっていると思いますね。
もうひとつ、当社の特徴となっているのが、社内で統一して意識付けを強く持たせている3KM(スリーケイエム)だと思います。
星野:3KMですか?
福嶋:当社では3KMという目標管理の手帳を全員に持たせています。 これは土屋経営という株式会社土屋ホーム会長の土屋公三氏が提唱されている手帳で、「個人」、「家庭」、「会社」それぞれの項目に10個の目標を持ち、それをどのようにして達成していくかと記載し、自己実現を目指すというものです。
自分の目標を持つことで、各社員が自発的な意欲を持つことができるというものです。 1年後の目標、5年後の目標、10年後の目標と、すべての目標を記載すると300個にも及ぶのですが、当社ではスタッフ全員が各自の目標を記入しています。
パートもアルバイトもです。 そしてこれを使いこなせるようにするために、私が社員とスタッフに向けて月に何度か研修を実施しています。
パートは一回3時間の研修、社員に対しては一回10時間の研修を行っています。
目標というのは、立てることが大事ですが、達成するには毎日読むことが大切なのです。
そのため、朝礼の際に毎朝2分間全員が各自の目標を読むようにしています。
そうすることで、自分の目標を意識づけることができるのです。
そして持ち歩いて、毎日見ることが重要なのです。 目標を達成するには、強い意志が必要になりますが、毎日目標を見返すことで、忘れることなく達成することができるようになるのです。
こうして個人の目標が充実することで、家庭が充実し、仕事も充実していきます。
やはり個人が不安定な人は、仕事もしっかりできないのです。
実は、この3KMによって当社を辞めてしまった社員がいます。
「3KMによって本当にやりたいことが見つかったので、会社を辞めます。」と。
こうしてある社員は、退職後プログラマーになるために大学に行きました。
当社としては寂しいですが、それによって本人の自己実現につながるなら、それでいいと思うのです。 この3KM自体は、会社の仕事に直結するものではありませんが、人が人として前に向かってしっかりすることで、社内のモチベーションは非常に高まっています。 当社の社員は、全員が有名大学出身のエリートとはいえませんが、これによってそういった人たち以上の働きをしてくれていると思います。 おかげ様で当社が順調に伸びているのは、先ほどの「現場で思ったことはすべてやりなさい」という点と、この手帳によって個人の目標をしっかりもってやってもらっていることが大きいと思います。 私は、土屋公三氏からは、特に何かをもらっている訳ではありませんが、もはやこの3KMの伝道師のようになっています。だいぶ知り合いにも勧めましたよ(笑)。
こうして毎日目標を見返し、全社員が共有することで共通の目標に進んでいけるのではと思います。
星野:社内での挨拶はすべて「お元気さまです。」と言うと、うかがったのですが、それは何故でしょうか。
福嶋:これはプラスの言葉を使うためです。
一生懸命働いているのに、お疲れ様ですと言われてしまうと、余計疲れてしまいませんか。
また言う方も、「あー、疲れたな。」と思いますよね。 言葉というのは力があると思っていて、プラスの言葉を使うことで、本当に元気になったりすると思うのです。 そのため、当社では、「おはようございます」の前に「お元気さまです」。「こんにちは」の代わりに「お元気さまです」。「おつかれさまです」とは言わずに「お元気さまです」。「失礼します」じゃなくて「お元気さまです」。「さようなら」ではなくて「お元気さまです」。といっています。 これはある会社で実践されていることを当社でも取り入れさせて頂いたのですが、予想以上の速さでに社内に広がり、今や当社の共通語となっています。 慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、思い切ってプラスの言葉を使うと、その効果に驚くと思います。 プラスの発想にすると、たとえ面倒な仕事がきても、これは自分を成長させるチャンスだと思えれば、取り組み方も変わりますよね。
そうした人が成長していくと思うのです。
星野:今後の展望を教えていただけますか。
福嶋:おかげ様で、当社は創業してから5年弱で、関西でもある程度のシェアが取れるようになりました。 我々の目標としては、全国にリサイクルショップを展開していきたいと考えておりますので、まずは関東で本格的に展開をしたいと考えております。
そのため秋口には出店を開始し、来年の4月くらいまでには、8店舗程度まで出店したいですね。
会社で共有できる目標を持つということが、非常に力になると思っております。
当社では、今年の経営計画書を一枚の紙にし、全社員に配布しています。
わかりやすいですよね?
始めは非常に分厚いものを作ったのですが、誰も読んでくれないんですね。
そこ社内に浸透しやすいように簡単にまとめたものを別に作りました。
そしたら皆、意識が共有でき前に進みやすくなったのです。
そして業績も今年は去年の170〜180%増を目指したいですね。
この成長率はこの5年間達成し続けており、来期もそうしていく予定です。
ゆくゆくはIPOも検討しております。
星野:最後に一言お願いします。
福嶋:リサイクル品の中には、日本では販売できず廃棄されてしまうような商品でも、東南アジアなどの海外だと十分な資源となるものがたくさんあるんですね。
逆にその国のデパートで売っているものより高品質ということもあるのです。
でもまだまだ使えるのに、日本では買い取っても売れず捨ててしまっているものってかなりあるんです。
例えば、日本だと一回しか使っていないフライパンは、少し傷があると売れないんです。
でもステンレス製のフライパンは、軽くて使いやすいと、海外では宝になりうるのです。
もったいないですよね。
こうした実情から、このような製品を海外に提供することを始めようと考えています。 今度、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムなどの国々に行く予定です。そこで出店などのチャンネルを作る予定です。 これから地球環境や循環型の社会を考える上で、こうしたことは重要なことになってくると思っています。
リサイクルのビジネスを行う者の使命感というところですかね。 正直なところ、ビジネス上採算が合わない部分も出てきてしまうとは思うのですが、おかげ様でエコ意識の高い社員も多く、賛同を頂いています。
こうして社会にも貢献できていけたらいいですね。
星野:本日はありがとうございました。

良品買館店舗風景
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