吉川医薬経済レポート 2008年6月号[トレンド]

07年度日本企業医療用売上ランキング

08年6月27日に日本化薬の08年5月期決算が発表になり,ここで日本企業の07年度業績が揃った.これを受けて医療用医薬品売上ランキングを作成した.

単位.金額:億円,増減:%

企業医療用増減総売上増減研開費増減純利益増減
1武田121025.8137485.3275842.735555.9
2アステラス97155.897255.61344-19.9177435.2
-第一・Ranbax9624-10754-----
3第一三共78982.48801-5.31635-4.297724.3
4エーザイ(6917)5.773438.92254108.2-170-
5大塚(6402)11.192858.7--61917.0
6田辺三菱37371.440941.1598109.8319-28.2
7中外34485.734485.75420.74014.3
8大日本住友20871.226401.147315.725613.2
-協和・キリン2083-------
9塩野義15512.121427.34037.525034.8
10小野14583.014583.038910.2350-0.6
11協和発酵13845.2392110.73412.423584.9
12参天9533.810342.9129-7.5127-3.8
13明治製菓8973.440472.8148-7.36213.9
14久光(820)11.511918.411220.918717.8
15大正8202.824973.1247-13.225062.1
16ツムラ7686.29483.944-9.591-30.5
17持田(745)0.77450.7864.18439.1
18キョーリン7275.88115.210835.722-54.8
19科研(702)4.67994.6684.25111.0
20キリン6994.0180128.12851.166724.7
21帝人(555)8.2103662.73633.4126-
22キッセイ548-1.5615-4.31148.52348.1
23日本たばこ4907.99409734.44519.5238713.3
24ニプロ48815.71721-6.65420.045-47.9
25日本新薬4874.55955.679-3.74039.0
26旭化成484-4.5169684.55627.36992.0
27扶桑薬品(437)2.84401.92922.51-
28日本化薬4241.61449-2.21020.1660.3
29鳥居4063.24083.2183.630-2.0
30沢井364-3769.7324.417-23.1
31日医工32310.532310.51417.8268.8
32東和(315)7.73157.717-12.3273.6
33ゼリア312-5.8497-5.654-6.716-20.7
34ヤクルト31020.6317416.28932.816712.6
35あすか280-2.1302-0.4526.035-
36富山化学(271)61.727167.18911.65-
37生化学20213.427613.55724.67821.4
38日本ケミファ1983.9209-0.213-10.046.6
39三笠(84)9.0849.0521.75-14.1
40わかもと67-1.8102-1.5103.94-14.9

医療用医薬品事業売上のランキングは今まで発表されていないように思われるので,このレポートが嚆矢である.今回は上場企業を中心に選んだが,今後は日本に拠点を置く外資企業もわかる範囲で加えたいと考えている.また,業績公開していない興和と大塚の子会社大鵬薬品がここには含まれていない.

金額はすべて連結ベースである.連結医療用医薬品売上を公開していない企業については,金額を括弧にいれて表示したが,その根拠は別表に示しておいた.

医療用医薬品売上1,000億円以上を大企業,1,000億円未満500億円以上を中堅企業,500億円未満を中小企業とした.大企業11社,中堅企業11社,中小企業28社,合計40社となった. 第一三共はRanbaxyを傘下に収める.両社の単純合計値を掲げた.アステラスとほぼ並ぶ規模になり,医療用医薬品事業売上1兆円にもう一歩というレベルに到達する.1兆円企業3社の誕生は間近いと予想される.

合併が予定されている協和発酵とキリンの単純合計金額を掲げておいた.合併後は大日本住友とほぼ同規模の2,000億円企業になると予想される.

かって,新薬を開発したことがあるゼリア,あすか,富山化学,日本ケミファの退潮ぶりが著しい.ユニークな新薬開発によって特徴ある企業として業績を伸ばしていたが,急激に進む新薬開発のパラダイム・シフトと費用急増によって,伸長の原動力であった新薬開発が困難になったためと考えられる.

沢井,日医工,東和の後発品3社が,30位から32位に並んでいる.3社ともに後発品優遇政策に乗って中期的に1,000億円企業を目指しているが,現状の規模と伸び率からみてその実現には相当な努力が必要と見受けられる.

次に,大企業,中堅企業,中小企業の区分と,医薬品専業,兼業・参入の区分によるマトリックスを表示してみよう.

規模専業兼業・参入
1,000億円以上武田
アステラス
第一三共
エーザイ
田辺三菱
中外
大日本住友
塩野義
小野
12,102
9,715
7,898
(6,917)
3,737
3,448
2,087
1,551
1,458
大塚
協和発酵
(6,402)
1,384
1,000億円未満
500億円以上
参天
久光
大正
ツムラ
持田
キョーリン
科研
キッセイ
953
(820)
820
768
(745)
727
(702)
548
明治製菓
キリン
帝人
897
699
(555)
500億円未満日本新薬
扶桑薬品
鳥居
沢井
日医工
東和
ゼリア
あすか
富山化学
生化学
日本ケミファ
三笠
わかもと
487
(437)
406
364
323
(315)
312
280
(271)
202
198
(84)
67
日本たばこ
ニプロ
旭化成
日本化薬
ヤクルト
490
488
484
424
310

兼業・参入企業にとって,医療用医薬品売上1,000億円を超えるのが極めて困難である様子がよく読み取れる.キリンは協和発酵を傘下に収め,2,000億企業となる.資本力のある参入企業は今後もキリンと同様な行動をとるであろう.しかし,相手となるべき企業は,資本関係などから結構絞られてくる.この道にもまた狭き門が待ち構えているが,それを乗り越えての企業再編は必至であると考える.このマトリックスはそれを暗示しているのである.

別表
企業括弧内金額の根拠
エーザイ連結医療用医薬品売上の開示がない.連結医薬品売上から個別一般用医薬売上を減算した金額を掲げた.
大塚連結医療用医薬品売上の開示がない.医療関連事業売上金額を掲げた.
久光連結医療用医薬品売上の開示がない.開示された医療用主要製品売上の合計値を掲げた.
持田医薬品関連事業売上が90%を超えるとしてセグメント開示がない.総売上を掲げた.
科研連結医療用医薬品売上の開示がない.医薬品・医療機器売上を掲げた.
帝人連結医療用医薬品売上の開示がない.開示された医療用主要製品売上の合計値を掲げた.
扶桑薬品連結医療用医薬品売上の開示がない.医療用医薬品・医療機器売上を掲げた.
東和医薬品関連事業売上が90%を超えるとしてセグメント開示がない.総売上を掲げた.
富山化学医薬品関連事業売上が90%を超えるとしてセグメント開示がない.総売上を掲げた.
三笠医薬品関連事業売上が90%を超えるとしてセグメント開示がない.総売上を掲げた.

Ranbaxyのインドルピー建て07年業績(単位:百万ルピー)
企業医療用増減総売上増減研開費増減純利益増減
-Ranbaxy65633-7425619.842808.21023656.8

07年年末のレート:1円=0.38インドルピーで換算した.

                

(2008.06.30.執筆YPC)





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