2008年7月14日号

毎週月曜日発行第339号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
がん研究会に行ってきました。いろいろ復習になったり、新しい情報も盛りだくさんで勉強になりました。そのあとの飲み会も楽しかったです。
CONTENTS

症例検討
Dr.UGAの気になる文献
Dr.HAGIの気になる文献
Dr.Kの気になる文献
Dr.TADOの気になる文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
不妊症
掲示板から
Dr.Xのひとこと

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

Dr.UGAの気になる文献

おやすみ

Dr.HAGIの気になる文献

おやすみ

腫瘍系文献

■犬における部分的下顎切除後のrhBMP-2を使用した5cm欠損部の即時下顎骨再建
Immediate mandibular reconstruction of a 5 cm defect using rhBMP-2 after partial mandibulectomy in a dog
Vet Surg. December 2007;36(8):752-9.
Daniel I Spector, John H Keating, Randy J Boudrieau

目的:部分的下顎骨切除および合成グラフトと架橋プレート固定を用いた即時外科的再建による下顎骨の複雑性歯牙腫の治療法を報告する

研究構成:臨床症例報告

動物:4歳去勢済みオスのコッカスパニエル

方法:複雑性歯牙腫の完全切除後、左下顎骨の即時再建(5cm隙間)を実施した。マスの完全切除直前にロッキングプレート固定を行った。全ての異常組織を含む部分的下顎切除後、固定を除去し、咬合位に達するよう再建した。出来た下顎欠損は、ヒドロキシアパタイト/トリカルシウムリン酸顆粒を含む吸収性コラーゲンスポンジ(圧迫抵抗性基質(CRM))で送達する組み替えヒト骨形成蛋白-2(rhBMP-2)を満たした。

結果:新規骨増生が3ヶ月目のエックス線検査および触診で見られた。骨のリモデリングが26ヶ月までの追跡検査で認められた。7ヶ月目のグラフト部分のバイオプシーで採取した骨は、強い新規骨形成で、持続性リモデリングの所見があった。マイナーな合併症(頻回の口内プレート暴露)は、術後遭遇するもののみで、容易に解消した。

結論:骨誘導因子(rhBMP-2/CRM)は、大きな下顎骨欠損の即時再建におけるグラフト代用として使用し成功した。
臨床関連:グラフトの代用として骨誘導材による大きな下顎骨欠損の即時再建は、犬の部分的下顎骨切除または良性歯原性腫瘍に対する放射線療法の利用可能な代替療法と思われる。(Sato訳)

Dr.kawanoの気になる文献

■IgE介在性食物過敏症疾患
IgE-MEDIATED FOOD HYPERSENSITIVITY DISORDERS.
Georgian Med News. 2008 Apr;(157):39-44.
Gotua M, Lomidze N, Dolidze N, Gotua T.

食物アレルギーは過去20年間、特に先進国において重大な健康に関する関心となっている。一般的な統計では子供の約4〜6%と大人の1〜3%が食物アレルギーを経験している。この文献ではIgE介在性食物過敏症疾患を見直す。IgE介在性食物アレルギーの疫学、メカニズム、臨床症状、遺伝操作された作物、診断、予防そして治療を議論する。子供のIgE介在性食物アレルギーの90%以上は牛のミルク、鶏卵、醤油、ピーナッツ、木の実、小麦、魚そして甲殻類によって惹起されることが研究で示されている。また食物アレルギーの原因は食品添加剤、遺伝子組み換え作物でもあります。 食物依存性運動誘発アナフィラキシーのリスクファクターには、喘息や原因となる食物に対する過去のアレルギー反応が含まれる。100万の人口あたり年間4症例という発生率で年間約500人が死亡する全身性のアナフィラキシーとアナフィラキシー様反応の最も一般的な原因の1つが食物アレルギーである。胃腸兆候に加えて、肥満細胞と好塩基球からのメディエイターの大量放出で引き起こされた蕁麻疹、血管性水腫、アトピー性皮膚炎、口腔シンドローム、喘息、鼻炎、結膜炎、低血圧、ショック、および心不整脈を経験するかもしれない。食物アレルギーの診断は病歴、詳細な食物分析、皮膚検査、血清の特異的IgE測定、暴露試験に基づく。治療と予防は食物回避、自己接種可能なエピネフリンの適用、H1とH2抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド、抗ロイコトリエン剤、プロスタグランジン合成抑制剤、クロモグリク酸ナトリムなどが含まれる。(Dr.Kawano訳)

クロモグリク酸ナトリム(経口インタール)は、腸管粘膜上でマスト細胞の脱顆粒を抑制することで高分子物質の腸管内透過性亢進が抑制され、食物抗原の血中移行を阻止するとされています。
インタールを経口投与した場合の血中移行率は0.8%程度で腸管からほとんど吸収されず、アレルギーの関与が明らかなアトピー性皮膚炎患児におけるインタール内服薬の有効率は60%と言われています。

Dr.Satoの気になる文献

■下垂体依存副腎皮質機能亢進症のミトタンによる非選択的副腎皮質融解あるいはトリロスタンの治療比較
Comparison of non-selective adrenocorticolysis with mitotane or trilostane for the treatment of dogs with pituitary-dependent hyperadrenocorticism
Vet Rec. December 2007;161(24):805-9.
M Clemente1, P J De Andres, C Arenas, C Melian, M Morales, M D Perez-Alenza

下垂体依存性副腎皮質機能亢進症の46頭の犬を、非選択性副腎皮質融解プロトコールによるミトタンで治療、40頭をトリロスタン1日2回で治療した。治療群はカイ2乗検定で比較し、生存日数はKaplan-Meier survival plots法およびCox proportional hazard法で分析した。非選択性副腎皮質プロトコールは非常に効果的で(89%)、その毒性は中程度(24%)で、再発は伝統的な選択性副腎皮質融解プロトコールで報告されたもの(58%)より少なかった(29%)。多変量モデルで、診断時の年齢および体重は、生存期間に有意に負の相関があった。1日2回のトリロスタンで治療した犬(900日)の生存期間中央値は、ミトタンで治療した犬(720日)より長期だった(P=0.05)。(Sato訳)

副作用、生存期間で見た場合、トリロスタンが第一選択ですかね。

はみだし文献訳

■犬における酸逆流中食道pHに対する局所治療の効果
The effect of topical treatment on esophageal pH during acid reflux in dogs
Vet Anaesth Analg. June 2007;0(0):.
Deborah V Wilson, A Tom Evans

目的:麻酔下の犬における酸性の胃-食道逆流(GER)中食道pHに対する吸引、洗浄、重炭酸ナトリウム液の注入の効果を判定する

研究構成:前向き臨床試験

動物:年齢4.8±2.4歳、体重37.1±7.9kgの健常犬10頭

方法:全身麻酔下で逆流が発生した場合、研究に供した。先端にセンサーがついたカテーテルを食道pH測定に使用した。研究開始から食道を吸引した。最低5分の間隔を置き、食道pHが4以下の場合、水道水で洗浄し再び吸引した。6頭で、20mlの希釈重炭酸溶液を食道腔に注入した。

結果:食道からの液体吸引は、pHを十分変化させなかった。水道水による洗浄は、4頭でpH4以上に上昇させ、平均pH上昇は、1.2±0.5から3.5±4.9だった。希釈重炭酸溶液を注入した全ての犬で、食道pHは180分(平均±SD、89±81)まで6以上に上昇させた。

結論と臨床関連:食道からの逆流の吸引は、食道腔のpHを変化させない。少量の重炭酸溶液の注入は、酸性GERの発生後pH4以上に予想通り上昇させた。食道腔へ液体を注入するとき、気管に入らないように注意すべきである。(Sato訳)

不妊症

■オス犬不妊症の一般原因
Common causes of male dog infertility
Theriogenology. August 2007;68(3):322-8.
M A Memon

完全な交配の十分な評価は不妊オス犬の評価で必須である。限性常染色体劣性形質の停留睾丸は片側性状態として一般的である。無精子症は、精漿を射精するが精子がない。発情中の雌犬の前で繰り返し精液を採取することで、経験不足、性的刺激の欠如が除外されるだろう。カルニチンとアルカリフォスファターゼ(AP)は精巣上体で産生され、精漿AP濃度>5000U/Lは正常な射精を示し、<5000U/Lは不完全な射精を示す。
去勢をしていないオス犬で一般的に見られる年齢関連状態の良性前立腺肥大(BPH)は、血液尿道排出、血尿、血精液症の特徴を示し、診断は前立腺肥大、経腹バイオプシーによる確定をもとに下す。去勢が推奨されるが、貴重な交配犬にはフィナステリドが使用できる。BPHの老犬で前立腺炎は良く見られる。射精第3分画または膀胱穿刺による尿の培養が指示される。細菌性前立腺炎は、高脂溶性を持つ抗生物質で治療される。細菌性前立腺炎の犬は、前立腺膿瘍に発達するものもいる(内科及び外科的緊急疾患)。前立腺膿疱は無症候性のことが多い。前立腺疾患の約5-7%の犬は前立腺腫瘍を持ち、ほとんどが腺癌で転移も多く(未去勢、去勢犬両方で発生する)、予後は非常に悪い。特定の診断が多くのオスの不妊症でなされえるが、全ての原因が治療を受け入れることができるわけではない。(Sato訳)

掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs

破傷風トキソイド 投稿者:でらしね さま
皆さんにお尋ねします。
犬や猫に人が咬まれて病院へ行くと、「破傷風の予防が必要」と言うことで注射されたという話をよく聞きますが、この治療はそんなに必要なものなのでしょうか?
抗生物質の処方だけでは不十分なのでしょうか?
ご意見をお持ちの方、よろしくお願いします。

ノイロトロピンの薬用量について 投稿者:ディー さま

最近お騒がせのノイロトロピンですが、犬・猫での薬用量をご存知の方いらっしゃいませんか?経口でも注射でもかまいません。


●第338号の文献の訂正

■2頭の若い猫に見られたヒト乳頭状汗管嚢胞腺腫に似た汗腺過誤腫
Sweat gland hamartoma resembling human syringocystadenoma papilliferum in two young cats
Vet Dermatol. December 2007;18(6):451-5.
Marianne Helene Heimann, Placide Ngendahayo

乳頭状汗管嚢胞腺腫、大部分は汗腺の過誤腫だけでなく毛包漏斗部構成部分も2頭の若い猫の体幹や頭部で述べられている。臨床的に病変は、不正だがはっきりと区別される境界があり、荒く色素沈着過度な表面を特徴とする皮膚のプラークだった。1例は完全な外科切除で治癒した。組織学的にその病変は、表在真皮に限られ、増殖性汗腺の合体ユニットから成っていた。増殖は管状または乳頭状で、拡張肥大した毛包漏斗部または無毛部内に開口する胎児表皮であるかもしれない。上皮の3タイプに漏斗部、管、分泌上皮を伴う毛包-汗腺の繰り返される形成が観察された。その腺はアルファサイトケラチン8に陽性に反応し、プラズマ細胞、リンパ球、好中球浸潤を伴う繊維組織により支持された。ヒトと同様、この病変は、過誤腫-神経-タイプカテゴリー内に分類されるかもしれない。(Sato訳)


●Dr.Xの今週のひとこと

おやすみ

ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫

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訳者:編集委員 Dr.K Dr.Kawano 圓尾拓也 Dr.UGA Dr.HAGI Dr.TADO

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