YF-00465
発信 平成20年7月8日
FAX NEWS
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2001年に44名が亡くなった歌舞伎町雑居ビル火災から7年が経とうとしていますが、先週、防火管理業務を怠ったとして、ビル所有者に禁固3年、テナントの経営者らにも禁固2〜3年の判決(執行猶予)が下りました。この事件は、亡くなられた方が非常に多く、社会に与えた衝撃が大きかっただけでなく、不動産に関わる人々にとって大きな意識改革が求められることとなりました。今回のFAXNEWSは、その点について触れたいと思います。
このビル火災の原因は放火によるものとされています。事件が起きるまでは、ビルの所有者やテナントは放火された被害者であり、放火犯の行動を予見した対応をとることまで求めるのは酷だという意識もありました。しかし、被害がこれほど大きくなると、直接的な原因を作った放火犯というよりも、防火管理を怠った(防火戸が閉鎖せず被害を拡大させた等)所有者・テナントへの風当たりが強くなり、結果として多くの人命を失った責任を所有者やテナントが負う内容の判決となりました。
この事件以降、雑居ビルについては消防の査察が強化され、また管理側の意識の高まりもみられますが、貸主の管理が行き届かないテナントの専用部分内等では、非常扉付近に荷物・ロッカーが放置されているなど、利用者の意識はまだ低いように感じられます。
管理を管理会社に委託されている場合、管理会社が防火機器の点検・修繕や管理上のアドバイスを行ってきた際には、これを真摯に受け止める必要があること、それに施設設備の設置保全等も含めて委託している場合を除き、終局的には貸主が防火上の責任を負っていることも意識しておく必要があります。
防災機器の点検の際、借主が立ち入りを拒むケースがあります。しかし、借主が賃貸借上負っている善管注意義務には、必要な設備等の工事や修繕に協力すべき義務が含まれていると解されますので、拒み続ければ契約解除の対象にもなりかねません。また、借主にも利用者の安全に配慮する義務がありますので、防火上支障がある出来事や設備に異常があれば所有者に報告するなど、積極的な対応も必要となります。
最近は住宅用火災警報器の設置が義務化されました(YF-00462参照)。これには設置義務違反に対する罰則規定はありませんが、万が一、住宅用火災警報器未設置の状況で火災が発生し、そのために被害が拡大した場合などは、所有者の責任が問われる可能性が生じるとも言われます。火災の発生原因の第一位は放火です(疑いがあるものを含む)。管理を怠れば誰もが期せずして加害者となり得ますので、以前にも増して厳しい目で安全管理を行なっていく必要がありそうですね。
(文責−横須賀 博)