小説「逆GENJI物語」イントロ 高田裕一著(3)



出会い/b>

「桐花さん、来週の木曜日は空いていますか?」
上級師範の百草(ひゃくそう)先生が、稽古中の桐花に声を掛けました。展覧会で椿の花を見張っていてくれた男の先生です。
「勤めがありますが、休暇は取れます。何でしょうか?」
「手伝って欲しいのです」
その日は、都心の国際展示場で、オーディオ・ショウが開催されるという話。そこで生け花を生けるのだそうです。

ショーの当日。
「桐花さんですね」
自分の花器の入ったダンボール箱を抱えて、国際展示場の戸口に呆然と立ちつくしていた桐花は、後から声を掛けられ、飛び上がらんまでに驚きました。


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