〜編集の現場から〜
2008.04.23 vol.161
現役編集者・ライターが現場の声を生かした、使える文章上達のコツを一問一答形式で出題します。 画像が表示されない場合
こんにちは、雷鳥社「文章上達のための練習問題〜編集の現場から〜」エディターのイタガキです。今週も文章書きのプロである現役の編集者・ライターが現場の声を生かした、“使える”文章上達のコツをお届けします。
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〜編集の現場から〜
文章上達のための
練習問題

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文章上達のための練習問題
意外に知らない文章ルールの基礎知識

問題
■「文末はすべて同じが正しい!?」
次の文章は、文末がすべて過去形になっています。文意を変えず、文末に現在形を交えて、臨場感のある文章にしましょう。

たまには贅沢を味わおうと、料亭旅館を 予約して温泉三昧の旅に出ました。旧友との他愛ない会話を楽しみながら車は山間の宿をめざしました。ここにしかないという珍しい巨岩の浴槽に驚いて写真も撮りました。お楽しみの食事は、懐石料理のフルコースでした。爽やかなたたずまいの女将 さんから説明を受け、芸術品のような料理が運ばれてきました。この料理は、毎朝、天気や空気の質感を感じて作る創作料理だということでした。思わず、古式ゆかしい日本語で話したくなる、風情を感じる味でした。

解答
たまには贅沢を味わおうと、料亭旅館を予約して温泉三昧の旅に出ました。旧友との他愛ない会話を楽しみながら車は山間の宿をめざ します。ここにしかないという珍しい巨岩の浴槽に驚いて写真も撮りました。お楽しみの食事は、懐石料理のフルコース。爽やかなたたずまいの女将さんから説明を受け、芸術品のような料理が運ばれてきます。この料理は、毎朝、天気や空気の質感を 感じて作る創作料理だとのこと。思わず、古式ゆかしい日本語で話したくなる、風情を感じる味でした。
解説
文末が、全て「でした」や「だった」という終わり方になると、文章のリズムが単調になります。面白い話でも、強弱がないと、聞いている側は眠たくなってしまうのと同じです。過去にあった文章を書く場合も、文末に現在形や体言止めを活用すれば、リズムが出て読みやすくなります。書いているときは、内容ばかりに気をとられて、文末が同じになってしまいがちです。書き終わってから音読して、文末やリズムを確かめることが、臨場感のある文章を書くコツといえるでしょう。

〜編集の現場から〜
「だ・である」調で書く文章は、文末に「である」「である」とつづくと、押し付けがましくなる。文末を工夫して、説教くさい単調な文章になるのをさけよう。



編集の現場から
あなたも作りたくなる、リトルプレスの楽しさVOL.3
先週からリトルプレス『Bon Appetit』ができるまでのお話を、編集部のおふたりにお聞きしています。今ではものづくりにかかわる人の想いやぬくもりを大切に届け てくれる『Bon Appetit』なのですが、そんなおふたりにも長いスランプに陥った時代がありました。どのようにして立て直し、今のような形にいたったのでしょう。今週も引き続きお話を伺っていきます。
Profile
Bon Appetit
編集部 HP

『Bon Appetit』 3号 550円/最新刊

特集は「花咲く出会いを見つけた人の話」です。

ご購入はHPか、お取り扱い店にて。
※詳しくはHPをご覧下さい

Bon Appetit
編集部
五十嵐友美 さん

Bon Appetit
編集部
長井史枝 さん
ものづくりをする人の
気持ちを伝える
本を作りたい

――暗黒時代(笑)と呼んでいた時期は、お互いどのように乗り越えられたのですか?

長井:とりあえず、乗り越える前に、『Bon Appetit』のことは置いておいて、ふたりとも半年ぐらい別のことをしていました。私は別の仕事をしていましたし、五十嵐は編集の学校に通っていました 。この暗黒時代直前にメンバーになった長尾も別の仕事に専念していました。今でこそ、なくてはならないBon Appetitの敏腕経理として、いろいろな面で助けてもらっていますが。

――でも、その後、リニューアルした『Bon Appetit』の1号が創刊されることになるんですよね。半年お休みをしていたのにもかかわらず、新 たに始められたのは何故ですか?

五十嵐:私には自宅でパン屋を開いている中西さんという友人がいます。彼女は自分で焼いたパンに、「そよかぜ」、「ほし」、「ゆき」とまるで詩のような名前をつけて自宅で売っている人で、そのものづくりの姿勢にとても共感していました。そんなある日、「自分もお店を開きたいという人から電話をもらったんだけど、うまく自分の想いを伝えられなかった」と彼 女が話しているのを聞いて・・・。その時「私たちが代わりに、彼女のパン作りの想いや店作りの想いを、伝えてあげられないかな」って思ったんです。

そして、もう一つは、POSTALCOさんのチャンス・プリンターという印刷機との運命的な出会いです。インクをつけたボールを落として美しい模様をつけるという不思議 な印刷機なんですが、それが、私たちの本作りと重なるものがあったんですよね。アナログなのに、印刷している過程自体もおもしろいし、できあがるものもすごくきれい!! その場で「取材させてください」と名刺交換しました。

――そして長井さんに召集がかかったんですね。

長井:五十嵐が、取材先 の資料を全部集めてきてくれて、「お願い。書いて!」って言ってくれたんです。

――それを聞いた時はどんな気持ちでしたか?

長井:「とうとう来たか」と(笑)。別々なことをしている間も、五十嵐は編集の学校へ行 ってスキルアップをして、企画をあたためていてくれたことが嬉しかったです。

彼女に書くことを任されたPOSTALCO(ポスタルコ)さんの場合、大きな雑誌で、もう何度も取り上げられていましたから、私たちのリトルプレスで は、どういう風に書いたらいいだろうと真剣に悩みました。でも、書き上げて五十嵐に見せたら、「いい!」って言ってくれて……。彼女は昔からそうで、学校で山のようなレポートを書いていた時も、わざわざ電話をくれて、「すごくよかった、感 動した」って言ってくれるような人なんです(笑)。

五十嵐は、情報収集能力がすごくて、絶対私には真似できない。そういう部分をとても尊敬している んですが、いつだったか彼女が「私には情報は集められるけど、思うように書いて表現することはできない」と言ってくれたことがあって・・・。誰かの役に立っているなんて普通の暮らしをしていると、面と向かって言われることなんてなかなかない ですよね。でも、私たちがリトルプレスを作ることで、お互いを必要としていることを実感できる。それってすごく嬉しいことだと思います。

――そのような経緯があって、つくる人の姿や気持ちを伝えるというコンセプトが生まれていったんですね。それは、試行錯誤してリトルプレスを作ったという経験と関係がありま すか。

五十嵐:それは大いにあると思います。つくったり表現したりすることは、表には出ない苦労がいっぱいあることが、実感としてよくわかるんです。たとえば、今は素敵なお店になっていても、そこまでになるためにはとても苦しい ことがあったりする。全てを伝えきれるわけじゃないですが、つくることにかける人の想いを少しでも汲み取って誰かに伝えたいですね。そして、それを受け取った人が「この人たちも頑張っているんだから、自分ももう少しがんばってみよう」って思ってくれたらうれしいです。


心が通じ合った
私たちの喜びを
誰かに伝えたい


――おふたりにとってリトルプレスを作る醍醐味は何ですか?
五十嵐:取材に行って、お話を聞いた方と心が通じ合うとすごくうれしいんです。そのうれしい思いをまた誰かに伝える。それが楽しくて。そうや って私たちの仕事が回っているようなところがありますね。

――ボナペティを拝見すると、ものづくりを楽しそうにしていらっしゃる素敵な方ばかりというのも納得です。その取材対象者の方は、どうやって探しているんですか?

長井:自分が愛用しているものを作っているお店に取材しに行くこともありますし、 外出先で見つけたDMやパンフレットは持って帰っています。雑誌に載っている記事なんかもチェックしてますね。すごく小さく載っているようなのでもしっかり見ています。

――でも、それだけでは、お店の人がどんな人だかはわかりませんよね。

五十嵐:そうなんです。だからこっそり見にいく。
それ を私たちは「潜伏活動」と呼んでいて(笑)、これがすごく大事だと思っています。1度目はお客さんとして行って、帰ってくるんです。そしてみんなで話しあって、よさそうだったらまた行ってみる。そうやって決めていきます。

長井:取材させていただくのは、私たちが本当にいいと思うものを作っている人、人間的に魅力的な 方たちばかりなんです。だから、その後もずっとお付き合いは続いていますし、自分に刺激をくれる人たちとお話できるのはすごく楽しいですね。

次週へつづく
取材のための企画書、取材依頼書いろいろ





















写真選びのためのコンタクトシート。シートにして出した方が選びやすい






















ゲラを出して、最後の最後まで、しっかりチェック





















五十嵐さんの友人でもあり、リニューアル版のきっかけにもなったパン職人の中西さんの記事 

雷鳥社 文章・編集の本



編集の学校のスタッフ・花巻が行く!!
Profile
編集の学校 スタッフ 花巻あゆこ
1978年神奈川県横浜市生まれ 27歳 
帰国子女が多い四年制大学を卒業。英語は得意。小学生の頃から、文章がヘタであることにコンプレックスを感じている。この春に大学時代の友人と二人暮らしをはじめた。

雷鳥社イタガキが勝手に行く!! 新刊のお知らせ その1
雷鳥社の権限ををフル活用し(笑)、2週にわたり雷鳥社の新刊のお知らせをさせていただきます。いつもハナマキさんのコーナーを楽しみにしてくださっているみなさま、すみません。ハナマキさんのコーナーはその間お 休みさせていただきます。

※ハナマキさんよりいただいたコメント
いつもありがとうございます。イタガキさんには、仕事や本作りで落ち込んだ時など、おいしいスイーツなどの差し入れをもらい、元気までいただいています。(ち なみにこの記事は私の大好きなナッツ盛り合わせセットで買収されました(笑)。みなさんごめんなさい!!)

今週ご紹介させていただくのは写真集です。

『Have a nice day』
 フォトグラファーが大事にしている184のことば
 著者 BerettaP-08

 1‚575円/B6変型/オールカラー

あなたと、あなたの大切な人と、そしてすべてのみなさんへ
「今日一日が、いい日で ありますように・・・」


約50人の新進気鋭のカメラマンの大切にしている写真と言葉が綴られています。あたたかく、前向きな気持ちになれる写真集です。

<担当者からのオススメポイント>
制約なしでカメラマン たちが写真を撮り、そして好きな言葉を綴っている写真集です。必ず好きなもの、心に響くものがありますので、ぜひ手にとってみていただきたい!!

詳しくは弊社のHP
※新刊アップは4月25日(金)予定です
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音声投稿型コミュニティサイト『こえとも』
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編 集 後 記
【お詫びと訂正】
前回のvol.160号の「編集の現場から」の記事にて、Bon Appetit編集部の五十嵐様のお名前を間違って表記しておりました。「 五十嵐知美」ではなく、正しくは「五十 嵐友美」です。五十嵐様、本当に失礼いたしました。謹んで、お詫びと訂正をさせていただきます。

【編集後記】
Bon Appetitのホームページでも、弊誌のメルマガを、ご紹介くださっていただいております。うれしいですね(お名前を間違ってしまったのに、なんて器の大きい、編集部の皆さまなのでしょう・・涙・・)。 Bon Appetitさんの編集日記は、日々のこと、取材のこと、制作のこと、モノと言葉と想いがなんともリズミカルに、綴られています。ぜひぜひご覧下さいね。Bon Appetit 編集日記
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