2007年4月14日号

毎週月曜日発行第326号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
友達からメダカをもらいました。病院の洗面器にいれて飼っていたらアクシデントで水をこぼしたのですが、数は減っていませんでした。メダカの餌を買って来なければ。。
CONTENTS

症例検討
Dr.UGAの気になる文献
Dr.HAGIの気になる文献
Dr.Kの気になる文献
Dr.TADOの気になる文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
肝疾患の指標
掲示板から
Dr.Xのひとこと

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

Dr.UGAの気になる文献

■低信号域MRIにより診断された50頭の鼻腔腫瘍である犬の回顧的研究
Retrospective review of 50 canine nasal tumours evaluated by low-field magnetic resonance imaging.
J Small Anim Pract. 2008 Mar 26 [Epub ahead of print]

目的:低信号域MRIは獣医学領域における副鼻腔の病気の診断時、しばしば用いられるようになっている。今回の回顧的研究の目的は犬の鼻腔腫瘍の低信号域MRIでの画像を検出し特徴づけることであった。

方法:クイーン獣医大学病院のデータベース(2001〜2005)から鼻腔腫瘍によりMRIを撮影した犬が調べられた。組織学的診断により鼻腔腫瘍とされた50症例が検出された。鼻腔腫瘍の外見と浸潤度が隣接した解剖学的構造との関わりと同様にチェックリストに対して調べられた。

結果:最も一般的なMRIの所見は次のものであった。(1)鼻甲介や篩骨甲介を破壊し軟部組織腫瘤に置換(症例の98%)、(2)鼻中隔の破壊(症例の68%)、(3)前頭洞の分泌物の残存(腫瘤の有無は問わず、症例の62%)、(4)鼻骨と前頭骨の破壊(症例の52%)。低信号域MRIは残存分泌物、壊死組織と腫瘍組織の鑑別を可能にした。低信号域MRIでは腫瘍の上顎窩洞、尾窩洞、鼻咽頭、隣接骨、頭蓋窩への浸潤の評価はできなかった。腫瘍はしばしば尾側方向の前頭洞や鼻咽頭へ浸潤していたが、おそらく最も重要なのは尾窩洞に浸潤していたことであった。腫瘍の頭蓋窩への浸潤は一般的ではなく(16%)、これらの症例の3頭にのみ神経学的兆候がみられた。しかしながら、症例の54%に巣状病変が髄膜(硬膜)に強くみられ、この意義ははっきりとしていない。肉腫と癌との間での腫瘍のシグナル強度の有意な違い(P<0.05)はみられた。

臨床重要性:低信号域MRIは鼻腔腫瘍における浸潤度の診断の確定には有用である。(Dr.UGA訳)

Dr.TADOの気になる文献

■犬のメラニン細胞腫瘍の予後予測における組織学的・疫学的根拠

<要約>
黒色腫もしくは黒色細胞腫と診断された384例が本研究に選別された。メラニン細胞腫瘍患者の生存期間を短くする重要な決定要素は1)転移2)分裂指数3)核異型4)スコア5)サイズ・容積の増大6)重度の炎症の存在7)局所の壊死がある。これらに加えて年齢も皮膚の腫瘍については重要な決定要素となる。肢端と口唇では8)年齢9)関節の可動性も生存期間に影響を与える。メラニン細胞腫瘍の術後の結果を予測する為にこれらの重要な決定要素に基づいて数学的なモデルが作成された。
メラニン細胞性口腔腫瘍は19%(73/384)含まれており、これらの92%が生検報告で悪性と分類されている。しかし(転移や再発といった)悪性の挙動は59%でしか観察されなかった。核異型に基づいた口腔腫瘍の診断モデルが最も正確に(89%)挙動を予測した。
肢端と口唇のメラニン細胞腫瘍も19%(73/384)を占めていた。74%が悪性と報告されているが38%だけが実際に悪性の挙動をたどった。分裂指数と核異型に基づいた診断モデルが挙動と合致する正確な分類(81%)をもたらした。
皮膚のメラニン細胞腫瘍は切片の調査で59%(227/384)含まれており、39%が悪性と報告されている。しかし、12%のみで悪性の挙動がみられた。
分裂指数を使用して満足が出来る予後予測モデルを構築することは出来なかったが、核異型を使用することにより、93.3%の症例で正確な分類を行うことが出来た。(Dr.TADO訳)

腫瘍系文献

■自然発生腫瘍の犬2頭に見られたヒドロキシ尿素のまれな皮膚毒性
Unusual dermatological toxicity of hydroxyurea in two dogs with spontaneously occurring tumours
J Small Anim Pract. July 2007;0(0):.
L Marconato, U Bonfanti, I Fileccia

ヒドロキシ尿素は過好酸性症候群、肥満細胞腫、多くの骨髄増殖性疾患の治療に使用される化学療法剤である。通常良く許容するが、報告される副作用には、骨髄抑制、胃腸合併症、非常にまれに皮膚毒性がある。我々は、長期ヒドロキシ尿素を投与した2頭の犬に見られた、全ての足のいくつかの爪の脱落症のまれな発現を報告する。爪病変の治癒には、1頭で治療の中止を必要とし、1頭は投与量の減量が必要で、爪障害とヒドロキシ尿素投与の間の密接な関連を支持した。この症例報告の目的は、長期ヒドロキシ尿素投与に関する皮膚毒性の臨床的意識を広めるためである。(Sato訳)

Dr.kawanoの気になる文献

■犬アトピー性皮膚炎のthymus and activation-regulated chemokineの病変部発現
Lesional expression of thymus and activation-regulated chemokine in canine atopic dermatitis.
Vet Immunol Immunopathol. 2002 Sep 6;88(1-2):79-87.
Maeda S, Fujiwara S, Omori K, Kawano K, Kurata K, Masuda K, Ohno K, Tsujimoto H.

この研究で、アトピー性皮膚炎(AD)の犬と健常犬の両方から採取した皮膚サンプルにおいて、ケモカインであるthymus and activation-regulated chemokine(TARC)そしてIL-1β、IL-4、IFN-γそしてTNF-αを含むサイトカインのmRNAの発現を観察した。TARC のmRNAはADの犬の局所皮膚病変で選択的に発現していたが、AD犬の病変がない皮膚や健常犬での正常な皮膚では発現していなかった。病変のある皮膚でのIL-1β、IFN-γそしてTNF-αの発現レベルも、AD犬の病変がない皮膚での発現より明らかに高かった。しかし、IL-4 のmRNA は今回の研究におけるどの皮膚サンプルでも検出できなかった。TARCやIL-1β、IFN-γそしてTNF-αなどの炎症性サイトカインは、人のAD同様に犬ADの病因に何らかの役割があるのかもしれないと示唆される。(Dr.Kawano訳)

■アトピー性皮膚炎の新しい治療
Emerging treatment of atopic dermatitis.
Clin Rev Allergy Immunol.2007 Dec;33(3):199-203.
Hsu CJ, Wang LF.

アトピー性皮膚炎は慢性的に繰り返す皮膚の湿疹である。幅広い治療法がアトピー性皮膚炎には使用されている。その病因のより良い理解も、この病気を治療するための目新しいアプローチの開発につながるだろう。この論文では舌下免疫療法、抗ロイコトリエン、プロバイオティクス、ミコフェノール酸モフェチル、 レフルノミドそして間欠的なプロピオン酸フルチカゾン軟膏などによる治療の最近の進歩を見直します。著者はこれらの治療が近い将来、臨床的に有効な治療となることを予期する。(Dr.Kawano訳)

メモ
プロピオン酸フルチカゾン:合成副腎皮質ステロイド薬
ミコフェノール酸モフェチル:イノシン一リン酸脱水素酵素阻害
レフルノミド:イソキサゾール系抗リウマチ薬

Dr.Satoの気になる文献

■犬外耳炎の病因:100例の遡及研究
Aetiology of canine otitis externa: a retrospective study of 100 cases
Vet Dermatol. October 2007;18(5):341-7.
Manolis N Saridomichelakis, Rania Farmaki, Leonidas S Leontides, Alexander F Koutinas

この遡及研究の目的は、外耳炎(OE)の犬100頭において徴候、病歴、臨床および検査所見と、外耳道の炎症の種々の原発、二次的、永続的原因因子の潜在的関連を調査することだった。犬の年齢は3ヶ月から14歳(中央値:4.75歳)で、オス45頭、メス55頭だった。コッカスパニエル、Jura des Alpes、ブリタニースパニエルは、病院の犬集団と比較したとき、OEの犬の中で有意に多く見られた。多くの症例で、OEは慢性-再発性(63%)、両側(93%)だった。アレルギー性皮膚炎(43/100)、草のノギ(12/100)、ミミダニ症(7/100)が最も一般的な原発性原因因子だった。 32症例で原因となるような原発性因子はなく、3頭は1つ以上見られた。マラセチア種(66/100)、球菌(38/100)、桿菌(22/100)は二次的原因因子だった一方、外耳道狭窄(38/100)と鼓膜穿孔中耳炎(25/100)は最も重要な永続的因子だった。アトピー性皮膚炎や食物有害反応に関係するOEは、メス犬や掻痒性皮膚疾患の犬でよく見られ、草のノギ誘発OEはコッカスパニエルや急性症例で見られた。鼓膜穿孔は、アトピー性皮膚炎、食物有害反応関連OEの犬であまり見られなかったが、耳鏡検査および耳道細胞診でそれぞれ草のノギおよび桿菌が見つかったときはより一般的だった。最後に、球菌の過剰増殖は、耳道狭窄に断然関与していた。(Sato訳)

病因をよく理解して外耳炎を治療するのがいいですね

はみだし文献訳

■酢酸メレンゲストロール(MGA)避妊薬を使用した動物園ネコ科の動物における乳癌の組織学的特徴
Histologic features of mammary carcinomas in zoo felids treated with melengestrol acetate (MGA) contraceptives
Vet Pathol. May 2007;44(3):320-6.
D McAloose, L Munson, D K Naydan

強力合成プロゲスチンの酢酸メレンゲストロール(MGA)は、1975年から動物園のネコ科に避妊薬として使用されている。乳腺癌は動物園のネコ科への投与に関連しているが、それら腫瘍の組織学的特徴とステロイドレセプター発現は述べられていない。動物園のネコ科の乳腺腫瘍を1986-1998年の間に関係する動物園に依頼し、28件のMGA投与、3件の無治療ネコ科から合計31件の乳腺癌を受け取った。組織学的パターン、腫瘍グレード、転移の発生をもとに癌を評価し、癌にMGA投与ネコ科と自然発生のものに違いがあるか判定するため、腫瘍の特徴を比較した。エストロゲン-、プロゲステロン-レセプター発現を31件中17件で評価した。
31件の腫瘍中、22(70.9%)は複合組織パターン、29(93.5%)はハイグレード、28(90.3%)は転移していた。腫瘍の中で、管乳頭パターン(87.1%、n=27)が最も一般的で、固形(61.3%、n=19)、篩状(38.7%、n=12)、コメド(25.8%、n=8)はあまり一般的でなく、ムチン(3.2%、n=1)はほとんどなかった。MGA投与と無治療の動物園のネコ科は同様のパターン、乳腺癌のグレード、転移率を示した。
それらの結果は、動物園のネコ科の乳癌は、管乳頭パターン優勢で攻撃的な習性を持つハイグレードであることを示す。17件の癌のうち5件はプロゲステロンレセプターを発現し、1件はエストロゲンレセプターを発現した。この研究でより多くの動物園のネコ科がMGAを投与されているが、乳癌は無治療、MGA投与ネコ科で同様の発生、習性を示した。MGAと悪性乳腺腫瘍の発生の関連は、動物園のネコ科でこの避妊薬を使用するとき考慮すべきである。(Sato訳)

肝疾患の指標

■犬の肝疾患の指標として血清L-フェニルアラニン濃度の評価
Evaluation of serum L-phenylalanine concentration as indicator of liver disease in dogs: a pilot study
J Am Anim Hosp Assoc. 2007 Jul-Aug;43(4):193-200.
Stephan Neumann, Heike Welling, Sibylle Thuere

必須アミノ酸は肝臓で代謝されるため、肝疾患はそれらの代謝を損なうかもしれない。この研究で肝疾患を持つ28頭の犬の血清L-フェニルアラニン濃度を、健康犬28頭及び非肝臓疾患の犬13頭のものと比較した。肝疾患の犬は、健康犬(P<0.001)及び非肝臓疾患の犬(P<0.01)と比較して、有意にL-フェニルアラニン血清濃度が上昇していた。異なる程度の肝疾患の犬で、L-フェニルアラニン血清濃度に有意差はなかった。絶食時胆汁酸にL-フェニルアラニンの感受性と特異性は匹敵した。(Sato訳)

掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs


●Dr.Xの今週のひとこと

おやすみ

ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫

【メールマガジン】週刊V-magazine  まぐまぐID:0000081728
                        melma ID:m00063306

【発行者】 Sato
訳者:編集委員 Dr.K Dr.Kawano 圓尾拓也 Dr.UGA Dr.HAGI Dr.TADO

「週刊V-magazine」のホームページ・・・【登録・解除】・・・は:このURLで

☆本メールマガジンは、根拠に基づく情報の掲載に努めていますが、ここから得た情報で皆様に不利益なことが起きましても発行者および副編集長らは責任を取ることが出来ませんので、皆様の責任のもとでの情報のご利用をお願いいたします。海外の文献を訳していますので、日本で承認されていないものや、海外でしか手に入らない薬剤も多々でてきますが、それら薬剤の使用につきましては、各先生の裁量、責任で行って下さいますようお願いいたします。