今年のはじめ、東京から女性のお客様がみえました。そのお客様から「もうすぐ、私の誕生日なんですが、私に誕生日のプレゼントとして絵本を一冊選んでもらえませんか?」とたずねられました。まだメルヘンハウスのスタッフとなって半年程であった私は少し緊張しながらの対応でした。
私は、一冊の本が頭に浮かび、お見せすると「なぜ、この絵本をすすめてくれるのですか?」と聞かれ、私の好きな絵本であること、主人公の相手を想う一生懸命な姿に惹かれるというようなことを言ったと思います。その私のおすすめする絵本は『おくりものはナンニモナイ』です。「ナンニモナイ」と聞いて、どういうこと?と思うかもしれませんが…
今日はいつもとちがう日。猫のムーチは大好きな友だちの犬アールにプレゼントをしようとします。でも、アールはなんでも持っています。なんでも持ってる友だちを喜ばせるものとはなんだろう?、ムーチはうんとうんと考えます。そして、見つけたものは……、ナンニモナイ! 「ナンニモナイ」を箱につめて贈ります。ふたりの他には何もない…と。
きっと箱の中にはムーチの想いがぎゅっと詰まっていることでしょう。いろんな物でいっぱい溢れているこの世の中、物ではなく気持ちが大切なんだと気付かされる作品です。
実際に誰かに贈り物をするとき、とても悩みます。好きなものは何かな?何をあげたら喜ぶかな?など、その人のことをたくさんたくさん思い浮かべながらあれこれ考えます。そして反対に他人から贈り物をしてもらったとき、同じようにいろいろ考えてくれたんだろうなと思い、何をもらったかというよりも、まず私のことをたくさん考えてくれたんだろうな、というその気持ちにうれしくなります。モノより相手を思う心なんですね。
そんな私に、うれしい贈りものがありました。はじめにお話したお客様から、次の日、「すてきな本だった」とお礼のメールをいただいたのです。私のおすすめした本を気に入っていただけたんだ!と、とてもうれしく思いました。お客様に喜んでいただけることが何よりも幸せです。そして、自分の自信へとつながりました。このメールを励みにこれからもがんばっていこうと思います。
(スタッフ T.A) |
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P.マクドネル作
谷川俊太郎訳
あすなろ書房/1260円
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