毎週月曜日発行第322号
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melma ID:m00063306
| 花粉症の季節ですね。毎年花粉症が発症するかどうかドキドキしています。まだ徴候が出ていないので今年も発症しなくてすみそうです。 |
CONTENTS
●症例検討
●Dr.UGAの気になる文献
●Dr.Kの気になる文献
●Dr.Kawanoの気になる文献
●Dr.Satoの気になる文献
●はみだし文献訳
●甲状腺
●掲示板から
●Dr.Xのひとこと
■症例検討
皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。
●Dr.UGAの気になる文献
■脾臓腫瘤と腹腔内出血で輸血を必要とする貧血の犬における血管肉腫の割合
Prevalence of hemangiosarcoma in anemic dogs with a splenic mass and
hemoperitoneum requiring a transfusion: 71 cases (2003-2005)
J Am Vet Med Assoc 232:553-558(2008)
Tara N Hammond, S Anna Pesillo-Crosby
目的:脾臓腫瘤と腹腔内出血で輸血を必要とする貧血の犬における脾臓血管肉腫の発生率を求めるとともに、脾臓血管肉腫と他の脾臓腫瘤を初診時に鑑別するための因子を決定すること。
統計:回顧的症例検討。
動物:71頭の犬。
方法:2003年から2005年の間に、医療記録、血液バンク記録、そして脾臓腫瘤の組織学的検査、腹腔内出血により輸血を要したものについて調査を行った。赤血球輸血をした例についても、脾臓摘出により組織学的診断され本研究に含めた。
結果:犬のシグナルメントは他の報告と同様のものであった。71頭中54頭(76.1%)で脾臓の悪性腫瘍が確認され、71頭中17頭(23.9%)では良性病変であった。54頭の脾臓の悪性腫瘍のうち、50頭(92.6%[全体の70.4%])が脾臓血管肉腫であった。また、血管肉腫では初診時に総タンパクと血小板数が有意に低く、腹腔内出血は脾臓血管肉腫の診断と有意に関連性がみられた。
結論と臨床関連:今回の母集団における報告は、脾臓血管肉腫である割合は他の報告よりも高いものであった。この度の報告における脾臓血管肉腫の犬は、他の脾臓腫瘤を発症した犬の値と比較すると初診時の総タンパクと血小板数が有意に低かった。しかし、これ以外に鑑別に有用な他の因子はみられなかった。治療を進めるかどうかについて、脾臓血管肉腫の発生確率と脾臓血管肉腫が予後不良であることを踏まえることが重要である。(Dr.UGA訳)
●Dr.Kの気になる文献
■犬の心機能に対する高血糖誘発高浸透圧の影響
Effect of hyperglycaemia-induced hyperosmolality on heart function in the dog
Eur J Clin Invest. April 1979;9(2 Pt 1):147-50.
G Pogatsa, E Dubecz
要約
心筋水分含量、左室拡張期剛性、心機能、冠状動脈血流量、心筋収縮力、心筋力の変化率、大動脈体積流量の最高点加速における変化を、膵臓切除後のインスリン治療を行ったものと行っていないもの、切除前、および切除後のグルコース誘導性高浸透圧の犬25頭で検査しました。グルコース誘導性高浸透圧は、インスリン欠乏下においてのみ、心筋脱水、拡張期剛性増大、そして結果として生じた左室機能の減少の原因である一方、冠状動脈血流量、心筋収縮力、心筋力の変化率、大動脈体積流量の最高加速は、グルコース誘導性高浸透圧の状態で、インスリンの存在、または不在に関係なく増大しました。これらの所見は、高浸透圧性糖尿病昏睡における心不全の良くある展開は、心筋脱水と結果として生じた左室圧縮率および機能の減少により、部分的に説明できるということを示唆しております。(Dr.K訳)
●腫瘍系文献
■原発性骨腫瘍の犬の姑息的治療としてサマリウムSm 153 lexidronam:35症例(1999-2005)
Samarium Sm 153 lexidronam for the palliative treatment of dogs with primary bone tumors: 35 cases (1999-2005)
J Am Vet Med Assoc. June 2007;230(12):1877-81.
Sandra M Barnard, R Max Zuber, Antony S Moore
目的:原発性骨腫瘍の犬で、サマリウムSm 153 lexidronamの使用に関する生存期間と対症効果を評価する
構成:遡及症例シリーズ
動物:原発性付属肢(n=32)、軸(3)骨腫瘍の犬35頭
方法:37MBg/kgの率で1-4回サマリウムSm 153 lexidronamをIV投与した。跛行の改善により測定した治療の反応、生存期間を判定した。
結果:付属肢主要の32頭のうち、20頭(63%)は放射性サマリウムの初回投与から2週間後、跛行の程度に改善を見せ、8頭(25%)は程度に変化がなく、4頭(12%)は悪化した。全体の生存期間中央値は100日で、3頭(8.6%)は1年後生存していた。付属肢腫瘍の犬32頭の生存期間中央値は93日で、3頭(9.4%)は1年後生存していた。これは、過去に唯一治療として断脚を行った付属肢骨肉腫の犬162頭の集団の生存期間中央値134日と有意差がなかった。
結論と臨床関連:結果は、治癒目的の治療の候補でない原発性骨腫瘍の犬における痛みの緩和にサマリウムSm 153 lexidronamは有効かもしれないと示唆する。(Sato訳)
●Dr.kawanoの気になる文献
■犬の円板状エリテマトーデスと紅斑性天疱瘡の治療における局所0.1%タクロリムス
Topical 0.1% tacrolimus for the treatment of discoid lupus erythematosus and pemphigus erythematosus in dogs.
J Am Anim Hosp Assoc. 2004 Jan-Feb;40(1):29-41.
Griffies JD, Mendelsohn CL, Rosenkrantz WS, Muse R, Boord MJ, Griffin CE.
単独療法(n=2)あるいは補助治療(n=10)として、円板状エリテマトーデス(DLE)の10症例および紅斑性天疱瘡(PE)の2症例で見られた局所病変への治療として局所0.1%タクロリムスを使用した。DLEの10頭中8頭とPEの2症例は局所塗布後8週間で症状が改善した。改善した8頭の犬のうち6頭において、他の治療を中止した。この研究で臨床上および検査結果において副作用は観察されなかった。(Dr.Kawano訳)
■犬の組織球性腫瘍:概要
Canine histiocytic neoplasia: an overview.
Can Vet J. 2007 Oct;48(10):1041-3, 1046-50.
Fulmer AK, Mauldin GE.
犬の組織球性腫瘍は局所性そして播種性組織球肉腫と同様に皮膚組織球腫が含まれる。これらの腫瘍は様々な生物学的な挙動を示すが、悪性疾患の予後はしばしば悪い。免疫組織化学的検査は同じような組織学的所見を示す他の腫瘍と組織球性腫瘍を鑑別するのに重要な役割を果たす。これは確定診断する手助けとなり、予後のさらなる正確な予測を提供する。この記事は犬の組織球性腫瘍の生物学的挙動、診断そして治療を見直します。(Dr.Kawano訳)
●Dr.Satoの気になる文献
■遠位四肢創傷の持続陰圧吸引療法の使用による治療
The use of vacuum-assisted closure therapy for the treatment of distal
extremity wounds in 15 dogs
Vet Surg. October 2007;36(7):684-90.
Ron Ben-Amotz, Otto I Lanz, Jonathan M Miller, Dean E Filipowicz, Michael D King
目的:遠位四肢に位置する外傷性創傷のある犬で、持続陰圧吸引(VAC)療法後の臨床結果を評価すること、および我々のVACの初期の経験を報告する
研究構成:遡及研究
動物:遠位四肢外傷性創傷を持つ犬(n=15)
方法:遠位四肢の外傷性傷害の管理をVACで行った犬の医療記録(1999−2003)を評価した。評価したデータは徴候、傷の位置、外科的介入までの時間、創傷再建方法、整形外科方法、結果、VACに関する合併症、入院期間だった。
結果:再建術までの平均日数は4.6日(範囲、2-7日)だった。再建手術は全症例で成功した。平均入院期間は9.7日(範囲、6-16日)だった。合併症は創傷縁の皮膚炎、創傷乾燥による陰圧の喪失だった。
結論:VAC療法は遠位四肢外傷性創傷の適切な管理に使用できる。VACは創傷床にかぶせる皮膚グラフトを確実にする効果的な方法である。
関連:VAC療法は外科修復前の犬の遠位四肢創傷の補助治療および創傷床に皮膚グラフトを確実にする方法として使用できる。(Sato訳)
人で糖尿病患者や、床ずれの治療に用いられています。潰瘍面とグラフトに死腔ができなく密着するので治癒が早いのでしょうね。
●はみだし文献訳
■健康犬の空腸造瘻フィーディングチューブ設置において、(鎮静と硬膜外、局所麻酔で腹腔鏡アシスト)、(全身麻酔、腹腔鏡アシストまたは回復外科)での心肺反応の比較
Comparison of cardiopulmonary responses during sedation with epidural and local anesthesia for laparoscopic-assisted jejunostomy feeding tube placement with cardiopulmonary responses during general anesthesia for laparoscopic-assisted or open surgical jejunostomy feeding tube placement in healthy dogs
Am J Vet Res. April 2007;68(4):358-69.
Saundra A Hewitt, Brigitte A Brisson, Melissa D Sinclair, William C Sears
目的:鎮静下、硬膜外、局所麻酔の健康犬で腹腔鏡アシスト空腸造瘻フィーディングチューブ(J-チューブ)設置の使用評価と、この硬膜外麻酔プロトコールと腹腔鏡アシストまたは開腹J-チューブ設置中全身麻酔の心肺反応を比較する
動物:健康な雑種犬15頭
方法:全身麻酔下で開腹J-チューブ設置(n=5;1群)、全身麻酔下で腹腔鏡アシストJ-チューブ設置(5;2群)、鎮静、硬膜外及び局所麻酔下で腹腔鏡アシストJ-チューブ設置(5;3群)に無作為に振り分けた。心肺反応は、基準(0)、処置中5分毎(5-30分)、処置後(脱硫化後(2、3群)または閉腹開始時(1群))に測定した。1回拍出量、心指数、O(2)運搬量を計算した。
結果:3群の犬全て鎮静、硬膜外および局所麻酔下で腹腔鏡アシストJ-チューブ設置に許容した。心血管パラメーターの比較は、1、2群と比較して3群の犬で心指数、平均動脈圧、O(2)運搬量が有意に高かった。全身麻酔下で腹腔鏡アシスト群と開腹J-チューブ設置群の間(すなわち1群と2群)には最小限の血行動態パラメーターの違いしか見られず、その差は健康な研究犬での臨床意義を見出せなかった。
結論と臨床関連:鎮静と硬膜外および局所麻酔は、健康犬で腹腔鏡アシストJ-チューブ設置に十分な状況を提供した。この麻酔法は全身麻酔よりも心肺抑制がより少なく、重度疾患の患者でJ-チューブ設置のよりより選択と思われる。(Sato訳)
●甲状腺
■若い健康なトレーニング前のグレイハウンドにおける甲状腺ホルモン濃度
Thyroid hormone concentrations in young, healthy, pretraining greyhounds
Vet Rec. November 2007;161(18):616-9.
R E Shiel, S F Brennan, A J Omodo-Eluk, C T Mooney
健康な若いグレイハウンド46頭中42頭(91.3%)における総チロキシン(T(4))濃度は、非犬種得意参照値範囲以内で、16頭(34.8%)は測定検出の限界以下だった。フリーT(4)濃度は、20.5%の犬で正常範囲以下、13%は検出下限以下だった。
対照的に、全頭の総トリヨードチロニン濃度は非犬種得意参照範囲以内か、あるいはそれ以上で、67%は上半分の中に入っていた。全頭の甲状腺刺激ホルモン濃度は非犬種得意参照範囲内だった。
結果は、若いグレイハウンドの総T4および遊離T4濃度は他の犬種よりも著しく低く、この犬種においてそれぞれの値が分析検出下限以下であっても甲状腺機能低下症の調査に信頼を置いて用いることはできないことを示す。(Sato訳)
●掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs
●Dr.Xの今週のひとこと
先日,メーカー主催の勉強会に参加したのですが結論から言いますとおもしろくなかったです.メーカー主催ですから自社の商品の売り込みをしたいのは理解できますが,いたずらに事を難しく説明したいらしく要点がはっきりしません.希望としては,要点をわかりやすく簡潔に伝えてもらいたい.AHTも参加できる会だったからなおさらです.終わってから希望は伝えましたが不満そうでした.よほど自分に自信があるのでしょう.
★ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫
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【発行者】 Sato 訳者:編集委員 Dr.K Dr.Kawano 圓尾拓也 Dr.UGA Dr.HAGI
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