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2008年3月5日 No280
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INDEX
01【生活】 ◆博物館へ行こう
  藤井浩史@山口大学教育学部附属山口小学校
01.【生活科】◆ 「公共物や公共施設の利用」においての
            悩みを解決する3つのポイント
            〜「博物館へ行こう」〜
       藤井浩史@山口大学教育学部附属山口小学校  
 
1 はじめに
 「公共物や公共施設の利用」の学習を行うとき、「ルールや約束、使い方をおさえなければ!」という思いが強くなりすぎて、子どもに「バスに乗るときには何に気を付ければいいかな」「美術館を見学するときはどうすればいいかな」と、子どもに繰り返し尋ねたり、それを強要してしまったりする授業展開になってしまったことはないでしょうか。

 教師から「ルールや約束、使い方」について言われたから、また、自分たちでそのことについてちょっと考えたから、といってすぐに公共物や公共施設を正しく使えるようになることはなかなかありませんよね。

 そこで、自主的に「ルールや約束、使い方」を正しく身に付け、更には、「公共施設を支えている人の働き」にも着目するようになるためのポイントを紹介したいと思います。

2 「ルールや約束、使い方」を自ら正しく身に付けようとするためのポイント
紹介するポイントは、次の3つです。

ポイント1 誰かを公共施設に案内するという単元構成
ポイント2 繰り返し活動の保障
ポイント3 試しの活動の設定

 上記のポイントを、実際の生活科の授業を取り上げながら具体的に紹介してい
きます。取り上げるのは、2年生の授業で次の通りです。
単元名:
 「博物館へ行こう」(公共物や公共施設の利用)

ねらい:
 年長さんを博物館に案内する活動を通して、公共物や公共施設はみんなのものであることやそれを支えている人々がいることに気付き、正しく利用することができるようにする。

概要:
 幼稚園の先生からのお願いで、「年長さんが博物館に行きたがっているので、案内してもらえないか」という依頼を受け、博物館の人の代わりとなって、グループ毎に計画を立て、博物館を年長さんに紹介した。そして、その中で、公共物や公共施設を正しく使うことの大切さ
を改めて実感していった。

(1)ポイント1【誰かを公共施設に案内するという単元構成】
走ろうとする年長を
おさえて歩く2年生
 対象は、隣のクラス、1年生、保護者等が考えられましたが、今回は、普段から交流をしている幼稚園の年長さんを対象としました。

 その理由としては、
●博物館のことをほとんど知らないという年長さんなので、子どもが、意欲的に博物館のことを紹介していきたいと思うと考えたから

●年長さんは、ルールや約束、使い方についてあまり知らないし、繰り返し伝えていかないとルール等が簡単に年長さんの身に付かないから
です。

  子どもたちは、年長さんに博物館を案内しながら、博物館の人から教えてもらった「走らない」「騒がない」「ガラスをむやみに触らない」という注意事項を繰り返し伝え、守れるように励ましていました。 また、自分たち自身も、年長さんに注意してもらう以上は、自分たちが正しく守らないといけないと強く感じ、ルールや約束等を自ら守ろうとよく努力していました。

 
(2)ポイント2【繰り返し活動の保障】
 
博物館の人に質問している
子どもが、多くの気付きを得たり、自主的に取り組んだりすることができるようにするためには、繰り返しの活動を保障することが大切です。したがって、案内をどのようにするのかという計画を立てる段階で、博物館に3回行くことができるようにしました。

 教師は、繰り返しの活動の中で、子供の活動を意味付けたり、価値付けたり、場合によっては、相談にのりながら、自主的に活動をすることができるように支援をしていきました。  「博物館の人に質問をしている」
 子どもたちは、しっかりと博物館を案内しなければいけないという使命感から、事前の博物館見学では、博物館の人に質問をしたり、楽しく見学できる場所はどこかと一生懸命に探したりしていました。更に、博物館の人の動き(働き)を注意深く観察する場面も多々ありました。

(3)ポイント3【試しの活動の設定】
年長役の子の手をつないでの
シミュレーション
 「頭だけで考えて、あとは実践」ということでは、気付きが生まれないだけではなく、結局、活動が成功体験のない失敗だけで終わってしまって充実感も得られなかった、ということでは意味がありません。

 そこで、案内する2年生役と案内される年長さん役に分かれて、自分たちで考えた計画に沿って、博物館でシミュレーションを行いました。これにより、自分たちの計画の良さ、問題点に多く気付くことができました。
       
 子どもたちは、このシミュレーションのお陰で、自分たちなりに納得できる案内を行うことができたようでした。

 最後に子どもの感想を紹介します。

 ●わたしは、年長さんと博物館に行って楽しかったです。年長さんは、わたし達の言うことをちゃんと聞いてくれました。3つの約束を守ってくれました。

 ●ぼくは、年長さんに3つの約束を言いました。「走らない」「ガラスをあまり触らない」「大きな声でしゃべらない」です。博物館に着いたとき、ぼくたちのおすすめのところに連れて行ってあげました。いろいろなところに行きました。クイズもやりました。がんばったことは、連れて行ったことです。

 ●今日は年長さんと博物館に行きました。最初は、走ったり、大声を出したり、  ガラスをたたいたりするから「注意しなくちゃ」と思ったけど、全く注意しなくても、大丈夫で、きちんとわたし達についてきてくれました。前、練習で博物館に行っていたので、クイズの教え方もよかったと思っています。

 ●わたしが博物館に行ってがんばれたことは、年長さんに「走ったらだめだよ」  と言えたことです。博物館に行く練習の時は、言えるかどうか不安でしたが、年長さんを連れて行ったときに言えてよかったです。年長さんに喜んでもらえたかな?と思います。
 
 

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