2007年3月3日号

毎週月曜日発行第320号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
雑種の子犬を飼うことになったのですが、なかなかしつけが難しいですね〜。また勉強しなければと思っています。
CONTENTS

症例検討
Dr.UGAの気になる文献
Dr.HAGIの気になる文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
甲状腺
掲示板から
Dr.Xのひとこと

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

Dr.UGAの気になる文献

■犬の抵抗性リンパ腫の治療におけるCCNUとDTICの併用について
Combination of CCNU and DTIC Chemotherapy for Treatment of Resistant Lymphoma in Dogs.
J Vet Intern Med. 2008 Jan-Feb;22(1):164-71
Flory AB, Rassnick KM, Al-Sarraf R, Bailey DB, Balkman CE, Kiselow MA, Autio K.

背景:P糖蛋白による薬剤耐性は犬のリンパ腫再燃の一般的な原因である。CCNUとDTICはP糖蛋白に影響されないアルキル化剤であり、それぞれの交差耐性を欠く。これらを併用することで総投与量の増加と相乗効果という点において有益である。

仮説:CCNUとDTICの併用に耐えることができるとともに、抵抗性に進行したものや以前までの化学療法に反応しなくなった犬のリンパ腫の治療において治療することができる。

動物:標準的な化学療法(l-CHOP;L-アスパラキナーゼ、サイクロホスファマイド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)の治療に抵抗性を示した57頭のリンパ腫の犬。

方法:予側I相試験とII相試験が行われた。DTICを静脈投与する5時間前にCCNUが経口投与された。制吐剤と予防的抗生剤が同時に使用された。治療は4週間毎に行われた。

結果:I相試験で行われた8頭の犬の結果から、CCNU 40mg/m2 POとDTIC 600 mg/m2 IVの組み合わせで57頭の難治性リンパ腫の犬を治療した。13頭(23%)の犬で完全寛解が得られ、寛解期間中央値が83日であり、7頭(12%)で部分寛解が得られ、寛解期間中央値25日であった。CCNU-DTICに反応しなかった犬のl-CHOPの完全寛解期間中央値は、CCNU-DTICによって寛解が得られた犬のものより有意に長かった(225日対92日,P=.02)。主な副作用は好中球減少であり、治療後7日目の平均好中球数は1,275/muLであった。ALTの増加もみられ、肝毒性との関連の可能性も7頭でみられた。

結論と臨床重要性:CCNUとDTICの併用は犬の難治性リンパ腫におけるレスキュー薬の効果的な選択肢の一つであることが示された。(Dr.UGA訳)

Dr.HAGIの気になる文献

■低グレードのリンパ球性リンパ腫の猫の転帰:41症例
Outcome of cats with low-grade lymphocytic lymphoma: 41 cases (1995-2005).
J Am Vet Med Assoc. 2008 Feb 1;232(3):405-10.
Kiselow MA, Rassnick KM, McDonough SP, Goldstein RE, Simpson KW,
Weinkle TK, Erb HN.

目的:様々な臓器に発生した低グレードのリンパ腫の猫の治療反応、寛解期間、
生存期間に関連する因子を評価すること。

様式:回顧的症例検討。

動物:低グレードのリンパ球性リンパ腫と組織学的に確定された41例の猫。

方法:1995年〜2005年に低グレードのリンパ球性リンパ腫と組織学的に確定(様々な臓器に発生)し、プレドニゾンとクロラムブシルで治療した猫のカルテと生検標本の再調査を行った。寛解期間と生存期間を評価するためにカプランマイヤー法を使用した。因子については可能な限り予後について比較を行った。

結果:一般的な臨床徴候として、体重減少(83%)、嘔吐(73%)、食欲不振(66%)、下痢(58%)が認められた。78%においては血清コバラミン濃度が低値を示した。リンパ腫の68%は消化管型であった。56%で完全寛解、39%で部分寛解が得られた。5%では反応が認められなかった。解剖学的部位を含めどの危険因子も治療反応と関連がみられなかった。部分寛解は完全寛解と比べ寛解期間がより短く、中央寛解期間は部分寛解の猫で428日、完全寛解の猫で897日であった。寛解期間は他のどの因子においても関連性はなかった。全体的な中央生存期間は704日であった。生存期間と有意に関連のある因子はなかった。

結論と臨床関連:リンパ球性リンパ腫のほとんどの猫はプレドニゾンとクロラムブシルに反応し、ほとんどの因子は転帰と関連が認められなかった。(Dr.HAGI訳)

腫瘍系文献

■リンパ腫の犬におけるレスキュー化学療法としてテモゾロマイドまたはダカルバジンとアントラサイクリン系の併用の効果
Efficacy of temozolomide or dacarbazine in combination with an anthracycline for rescue chemotherapy in dogs with lymphoma
J Am Vet Med Assoc. August 2007;231(4):563-9.
Nikolaos G Dervisis, Pedro A Dominguez, Luminita Sarbu, Rebecca G Newman, Casey D Cadile, Christine N Swanson, Barbara E Kitchell

目的:再発または難治性リンパ腫の犬におけるアントラサイクリン系抗がん剤との組み合わせで、テモゾロマイドまたはダカルバジンの治療結果を比較する

構成:非無作為コントロール臨床試験

動物:再発性、または難治性リンパ腫の犬63頭

方法:21日サイクルで化学療法を行った。テモゾロマイドとアントラサイクリン系(ドキソルビシンまたはダクチノマイシン)の組み合わせを21頭に投与し、ダカルバジンとアントラサイクリン系を42頭の犬に投与した。効果と毒性を評価した。

結果:テモゾロマイド-アンテラサイクリン系併用で治療した18頭中13頭(72%)とダカルバジン-アンテラサイクリン系併用で治療した35頭中25頭(71%)は、完全または部分寛解した。レスキュー化学療法に対する反応の持続中央値は、テモゾロマイド群で40日(範囲、0-217日)、ダカルバジン群で50日(範囲、0-587日)だった。テモゾロマイド群よりもダカルバジン群の犬のほうが高グレードの血液毒性の発生が有意に高かったが、消化管毒性の発生は両群に有意差が見られなかった。完全または部分反応、レスキュー化学療法に対する反応の持続期間、レスキュー後の生存期間、または総生存期間の犬の割合に関して群間の有意差はなかった。

結論と臨床関連:2つの組み合わせは、再発または難治性リンパ腫の犬の治療に有望であるが、ダカルバジンの投与よりもテモゾロマイドのほうが使いやすく、血液毒性も少ない。(Sato訳)

Dr.kawanoの気になる文献

■犬アトピー性皮膚病変におけるCCケモカイン受容体4(CCR4)mRNAの発現
Expression of CC chemokine receptor 4 (CCR4) mRNA in canine atopic skin lesion.
Vet Immunol Immunopathol. 2002 Dec;90(3-4):145-54.
Maeda S, Okayama T, Omori K, Masuda K, Sakaguchi M, Ohno K, Tsujimoto H.

CCケモカイン受容体4(CCR4)はTh2細胞を選択的に発現するG蛋白共役7膜貫通受容体で、炎症部へのTh2細胞の輸送に重要な役割を果たしている。この研究において、犬のアトピー性皮膚炎における皮膚病変で起こるアレルギー反応でのCCR4の潜在的な役割を検査するため、完全長の犬のCCR4cDNAをクローン化し、特徴付けた。この研究で報告した犬のCCR4 cDNAは360のアミノ酸をコード化した1083のヌクレオチドの読み取り枠を含んでいた。犬のCCR4の予測したアミノ酸配列は人、マウスそしてモルモット対応物でそれぞれ91.9、85.3、84.5%の相同性を示した。CCR4mRNAの発現は胸腺、脾臓、心臓、小腸そしてリンパ節など様々な組織で検出された。さらにCCR4mRNAはCCR4のリガンドでthymus and activation-regulated chemokine (TARC)のmRNAと一緒にアトピー性皮膚炎の犬の病変のある皮膚に優先的に発現していた。今回の研究でCCR4は犬のアトピー性皮膚炎の免疫病原性に強く貢献していることが証明される。(Dr.Kawano訳)

Dr.Satoの気になる文献

■アイリッシュウルフハウンドの寿命と疾病素因:概説
Lifespan and disease predispositions in the Irish Wolfhound: a review
Vet Q. September 2007;29(3):102-11. 76 Refs
S R Urfer1, C Gaillard, A Steiger

アイリッシュウルフハウンドのいくつかの疾病素因が述べられるが、それらのリストは異なる文献で大きく変化する。この論文は、文献で報告されている疾病素因と共に寿命に対する所見を概説する。これまで見つかった遺伝性メカニズムは、繁殖用の健康な犬に対するそれらの関わり、動物福祉面で強調されるその倫理的必要性などが論じられる。繁殖価値の評価と組み合わせたオープンな健康登録は、もっとも有望なアプローチに思える。
さらに通常オスの去勢手術は、骨肉腫のリスクを増加させるとして賛成されない。アイリッシュウルフハウンドの平均寿命は4.95-8.75歳と幅広いが、正しく検閲したデータによる偏りは一般的である。最も多く発生が報告された疾患は、拡張型心筋症、骨原性肉腫、胃拡張および捻転、骨軟骨症性範疇の疾患である。さらに肝内門脈体循環シャントは重要な役割を演じる。いくつかの他の疾病が文献で報告されており、鼻炎、てんかん、進行性網膜萎縮、フォンウィルブランド病、若年性線維軟骨塞栓症がある。(Sato訳)

アイリッシュウルフハウンドもいろいろな病気がありますね

はみだし文献訳

■肝臓動静脈フィステルの犬の外科および介入放射線治療
Surgical and interventional radiographic treatment of dogs with hepatic arteriovenous fistulae
Vet Surg. April 2007;36(3):199-209.
Guillaume Chanoit, Andrew E Kyles, Chick Weisse, Elizabeth M Hardie

目的:犬の肝動静脈フィステル(HAVF)の外科および介入放射線治療後の結果を報告する

研究構成:遡及研究

動物:HAVFの犬(n=20)

方法:HAVFの犬の医療記録を再検討した。紹介獣医師とオーナーに電話で連絡を取り、病歴、臨床症状、生化学および血液プロフィール、超音波および血管造影所見、外科所見、HAVF修正に使用した方法、生存期間、臨床追跡調査を記録した。

結果:犬HAVFは単一のフィステルよりもむしろ動静脈奇形としてよく見られた。複数の肝外門脈体静脈シャントが19頭の犬で認められた。外科(肝葉切除または栄養動脈の結紮)および/または介入放射線(異常動脈のglue塞栓形成)を17頭の犬で行った。13頭の犬は外科手術のみ、4頭はglue塞栓形成のみ、1頭は両方で治療した。外科手術のみで治療した3頭は1ヵ月後に死亡し、その後3頭は持続的臨床症状により安楽死、または死亡した。Glue塞栓形成で治療した犬で処置後1ヶ月以内に死亡した犬はおらず、追跡調査時(9-17ヶ月)臨床症状もなく全ての犬は生存していた。全体で、長期追跡調査した犬12頭中9頭(75%)は臨床症状の食餌、または薬剤管理が必要だった。

結論:外科よりglue塞栓形成後の方が、HAVF関連死の発生頻度が少ない。
臨床関連:glue塞栓形成は犬HAVFの治療で外科手術に変わる良い代替処置と思われる。(Sato訳)

甲状腺

■犬猫の甲状腺外科
Thyroid surgery in dogs and cats
Vet Clin North Am Small Anim Pract. July 2007;37(4):789-98, viii. 24 Refs
MaryAnn G Radlinsky

甲状腺外科は、甲状腺の悪性及び良性腫瘍、過形成で指示される。腹側頚部正中アプローチで、両側甲状腺の診査が可能である。取り巻く神経血管構造、食堂を避けるよう注意すべきである。両甲状腺の評価は、部分または完全甲状腺切除を行う前になされるべきである。甲状腺外科の合併症は、術中出血、反回喉頭神経の損傷に関する臨床症状、上皮小体血液供給、または上皮小体切除などである。(Sato訳)

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●Dr.Xの今週のひとこと



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