2007年2月25日号

毎週月曜日発行第319号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
今年は本当に雪がよく振ります。今日は最低気温-4度でした。去年の冬の暖かさが嘘のようです。朝布団から出られません。
CONTENTS

症例検討
Dr.UGAの気になる文献
Dr.HAGIの気になる文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
甲状腺
掲示板から
Dr.Xのひとこと

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

Dr.UGAの気になる文献

おやすみ

Dr.HAGIの気になる文献

おやすみ

腫瘍系文献

■猫扁平上皮癌の9日加速照射法
A nine-day accelerated radiation protocol for feline squamous cell carcinoma
Vet Radiol Ultrasound. 2007 Sep-Oct;48(5):482-5.
Janean L Fidel, Rance K Sellon, Robert K Houston, Betsy A Wheeler

口腔扁平上皮癌の猫9頭に加速照射法(9日で3.5Gy14分割)を行った。照射間隔6時間で1日2回放射線照射した。全体の生存期間中央値は、86±110日だった。部分反応を示した猫(n=6)の生存期間中央値は60±7日、完全寛解にいたった猫(n=3)のそれは298±187日だった(P=0.0639)。全ての猫で加速プロトコールはよく許容し、早発及び晩発毒性は管理可能だった。プロトコールの更なる修正が生存率を延長するために望まれる。(Sato訳)

Dr.kawanoの気になる文献

■アトピー性皮膚炎あるいは実験的に日本スギ花粉に感作させた犬の末梢CD4細胞におけるCCR4陽性細胞の増加
Increase of CC chemokine receptor 4-positive cells in the peripheral CD4 cells in dogs with atopic dermatitis or experimentally sensitized to Japanese cedar pollen.
Clin Exp Allergy. 2004 Sep;34(9):1467-73.
Maeda S, Ohmori K, Yasuda N, Kurata K, Sakaguchi M, Masuda K, Ohno K, Tsujimoto H.

背景:人と同様に犬も頻繁にアレルギー疾患になりやすいので、犬が人のアレルギーのための潜在的な動物モデルとなります。人のアトピー性皮膚炎(AD)において、CCケモカイン受容体4(CCR4)は、アトピー性皮膚炎のアレルギー性炎症の発症に重要な役割を担うことが解っている。;しかしアレルギー性皮膚炎を持つ犬でアレルギー反応とCCR4の関連性はまだ良く理解されていない。

目的:アトピー性皮膚炎および実験的に日本スギ花粉に感作させた犬の抹消血のCD4陽性細胞におけるCCR4発現を調査すること。

材料と方法:アトピー性皮膚炎の犬17頭から末梢血単核細胞(PBMCs)を分離した。フローサイトメトリーを使って末梢血CD4陽性細胞中のCCR4陽性細胞の比率を評価し、10頭の健常犬と比較した。同様に日本スギ花粉抗原に実験的に感作させた犬において、感作前後でCCR4/CD4比を検査した。

結果:アトピー性皮膚炎(40.3+/-3.3%)の犬におけるCCR4/CD4比は、正常犬(23.6+/-4.3%)に比べて明らか(P<0.01)に高かった。実験的に感作させた犬において、CCR4/CD4比は感作前で25.4+/-2.6%なのに対し、明らか(P<0.01)に感作後に増加(29.8+/-2.9%)した。

結論:アレルギー状態の犬で末梢血のCD4陽性細胞におけるCCR4陽性細胞比を測定した。今回の所見からCCR4陽性細胞は人間のように犬におけるアレルギーの病因に関与するかもしれないことが示唆された。(Dr.Kawano訳)

Dr.Satoの気になる文献

■ビンブラスチン、シクロフォスファミド、プレドニゾンによる犬肥満細胞主の治療:35症例(1997-2004)
Treatment of canine mast cell tumours with vinblastine, cyclophosphamide and prednisone: 35 cases (1997-2004)
Vet Comp Oncol. September 2007;5(3):156-167. 41 Refs
M. A. Camps-Palau, N. F. Leibman, R. Elmslie, S. E. Lana, S. Plaza, J. A. McKnight, R. Risbon, P. J. Bergman

この遡及研究の目的は、肥満細胞腫(MCTs)の犬35頭で行ったビンブラスチン、シクロフォスファミド、プレドニゾン(VCP)の混合プロトコールの効果と毒性を判定することだった。11頭(1群)はある程度の大きさの疾患で、24頭(2群)はMCTの不完全切除または転移のハイリスク症例だった。
1群の5頭は完全寛解に到達し、2頭は部分反応、2頭は安定状態、2頭は進行状態だった。1群および2群の進行フリー生存期間(PFST)中央値は、それぞれ74日、865日だった。1群および2群の総生存期間(OST)中央値はそれぞれ145日、>2092日だった。有意な陰性多変量予後因子は、肉眼で見える疾患および進行フリー生存期間に対しビンブラスチン(VBL)投与の減少、骨髄検査中MCTの存在、PatnaikグレードIIIMCTおよび総生存期間に対しビンブラスチン投与の減少だった。毒性はまれで、自己制御可能だった。この研究は、犬のMCT治療の選択としてVCPプロトコールを考慮すべきだということを示唆する。(Sato訳)

肥満細胞腫に使用可能な化学療法プロトコールのオプションが増えるのはうれしいことです。

はみだし文献訳

■3頭のキャバリアキングチャールズスパニエル同腹子にみられた非定型咀嚼筋筋炎
Atypical masticatory muscle myositis in three cavalier King Charles spaniel littermates
J Small Anim Pract. April 2007;48(4):226-8.
G D C Pitcher, C N Hahn

この症例報告で免疫介在性疾患、咀嚼筋筋炎の新しい症状を述べる。口をあけるのが難しい(開口障害)などの臨床症状が、12週齢のキャバリアキングチャールズスパニエル同腹子3頭に見られた。罹患側頭筋の特徴的組織病理変化により支持される2M免疫組織化学により診断を確立した。免疫修正量のコルチコステロイドの投与により全ての罹患犬の臨床症状は解消した。咀嚼筋筋炎は、頭部に位置する筋炎の臨床症状を持つ若い犬の鑑別診断にいれるべきである。(Sato訳)

甲状腺

■猫の甲状腺機能亢進症の病因病理所見
Etiopathologic findings of hyperthyroidism in cats
Vet Clin North Am Small Anim Pract. July 2007;37(4):633-45, v. 63 Refs
Mark E Peterson, Cynthia R Ward

現在までの研究で、猫の甲状腺機能亢進症発症の原因となりえる単一優性因子が特定されていない。むしろ研究のほとんどが、この種の甲状腺機能亢進症が多因子性疾患という広く支持される観点の所見をさらに提供する。この時点で、もっともありえる候補者は、餌または猫の環境に存在を示されている甲状腺腫誘発化学薬品が1つ以上含んでいる。また甲状腺刺激ホルモンレセプター遺伝子の突然変異、またはG蛋白に関係する遺伝子の突然変異が、この疾患の病因で重要な役割を演じると思われる。(Sato訳)

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●Dr.Xの今週のひとこと



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