2007年2月18日号

毎週月曜日発行第318号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
今年は雪がよく降りますね。うちの犬を散歩していると雪をかぷかぷ食べておいしそうです。先日スキーに行ったら顔がすごい焼けてボロボロになりました。日焼け止めしておけばよかった。
CONTENTS

症例検討
Dr.UGAの気になる文献
Dr.HAGIの気になる文献
Dr.Kawanoの気になる文献
Dr.Satoの気になる文献
はみだし文献訳
甲状腺
掲示板から
Dr.Xのひとこと

症例検討

皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。

Dr.UGAの気になる文献

■高トリグリセリド血症の有無によるミニチュアシュナウザーの血清肝酵素活性の検討
Serum liver enzyme activities in healthy Miniature Schnauzers with and
without hypertriglyceridemia
J Am Vet Med Assoc. January 2008;232(1):63-7.
Panagiotis G Xenoulis, Jan S Suchodolski, Melinda D Levinski, Jorg M Steiner

目的:健康なミニチュアシュナウザーにおける高トリグリセリド血症が肝酵素の上昇と関連があるかどうかを決定すること。

統計:交差区分試験。

動物:血清トリグリセリド値が基準値内である65頭のミニチュアシュナウザーをグループ1、血清トリグリセリド値がわずかに高い20頭をグループ2、そして血清トリグリセリド値が中程度から非常に高い20頭をグループ3とした。

方法:それぞれの犬の医療履歴に関する調査票を作成し、ALP、ALT、GGTの値を計測した。

結果:ALPの中央値はグループ1、2と比べてグループ3で有意に高かったが、グループ1と2で有意性は認められなかった。ALTの中央値はグループ1よりグループ3で有意に高かったが、他のグループ間では有意性を認めることはなかった。グループ1、2、3を比較するとALP値は有意に高くなる傾向にあった(オッズ比はそれぞれ26.2、192.6であった)。グループ3はグループ1と比較すると、ALT値(オッズ比;8.0)、AST値(オッズ比;3.7)、GGT値(オッズ比;11.3)もまた有意に高くなる傾向があった。グループ3ではグループ1と比較すると2倍以上、有意に肝酵素の上昇(オッズ比;31.0)が認められた。

結論と臨床関連:以上の結果より、ミニチュアシュナウザーの軽度から重度の高トリグリセリド血症は肝酵素の上昇と関連することが示された。(Dr.UGA訳)

Dr.HAGIの気になる文献

■猫の原発腎臓腫瘍:19例(1992〜1998)
Primary renal tumours in cats: 19 cases (1992-1998).
J Feline Med Surg. 1999 Sep;1(3):165-70.
Henry CJ, Turnquist SE, Smith A, Graham JC, Thamm DH, O'Brien M, Clifford CA.

4ヶ所の獣医大学と1ヶ所の私的二次診療動物病院のデーターベースより1992年1月から1998年4月までに原発性腎臓腫瘍と診断された20例が提供された。これらの症例19例は原発性腎臓腫瘍で、リンパ腫は除外した。20例の組織学的再調査をした症例のうち診断は8例で修正された。13例は腎臓の腺癌(11例は管状腺癌、2例は管状乳頭状腺癌)、3例は移行上皮癌、1例は悪性腎芽腫、1例は血管肉腫、1例は腺腫であった。血管肉腫は我々の知る限りでは猫の原発性腫瘍の初めての症例報告である。ほとんどの猫では食欲不振や体重減少のような非特異的な臨床徴候を呈していた。1例の猫は腫瘍関連の多血症を呈し我々の知る限り今まで報告されたことがない。完全な病期分類を実施した猫の転移率は64%で、移行上皮癌の場合には100%であった。(Dr.HAGI訳)

腫瘍系文献

■犬の横隔膜の悪性末梢神経鞘腫瘍
Malignant peripheral nerve sheath tumor of the diaphragm in a dog
J Am Anim Hosp Assoc. 2008 Jan-Feb;44(1):36-40.
Coretta C Patterson, Ruby L Perry, Barbara Steficek

11歳の去勢済のグレイハウンドがミシガン州立大学の獣医教育病院に胸部腫瘤の外科切除のために紹介された。胸部レントゲンより左尾胸郭に横隔膜と重なる境界明瞭な腫瘤が確認された。超音波とCT検査によって横隔膜の左片側より腫瘤が発生していることが確認された。腫瘤は手術により切除され病理組織検査を実施した。病理学的検査と免疫組織学的検査により悪性末梢神経鞘腫瘍の一種であることが診断された。(Dr.UGA訳)

Dr.kawanoの気になる文献

■アトピー性皮膚炎乳児における皮膚上空気アレルゲン感作-表皮バリア障害の役割
Epicutaneous aeroallergen sensitization in atopic dermatitis infants - determining the role of epidermal barrier impairment.
Allergy. 2008 Feb;63(2):205-10.
Boralevi F, Hubiche T, Leaute-Labreze C, Saubusse E, Fayon M, Roul S, Maurice-Tison S, Taieb A.

背景:アトペンに対する感作は乳児期のアトピー性皮膚炎(AD)の発病と一致する早期の現象である。早期の表皮バリア障害はアトペンの皮膚上の透過を促進させるかもしれない。

目的:アトピー性皮膚炎の乳児の経皮水分蒸散量(TEWL)と経皮感作を関連させること

方法:この横断的研究において、我々は年齢3〜12ヶ月のアトピー性皮膚炎の子供59人とコントロールの30人を集めた。Dermatophagoides pteronyssinus、D. farinae、猫、犬、カバノキ花粉、 ブタクサそしてゴキブリなどの 7つの空気アレルゲンに対して、無病変部の経皮水分蒸散量(TEWL)、特異的免疫グロブリンE、アトピーパッチ検査(APT)そして皮膚プリック検査を実施した。環境の状況はアンケート用紙で評価し、ハウスダストマイト(HDM)濃度は塵のサンプルで測定した。

結果:アトピー性皮膚炎乳児の89%はAPT陽性で、コントロール群の11人中1人が陽性であった。アトピー性皮膚炎乳児(27.4 g/m(2)/h)は、コントロール群(11.1 g/m(2)/h)に比べて平均経皮水分蒸散量が有意(P < 0.001)に高かった。APTが2つ以上陽性の子供(31.1 g/m(2)/h)は、他の子供(19.0 g/m(2)/h)に比べて経皮水分蒸散量がより(P < 0.025)高かった。室内APT結果と自宅でHDM、猫そして犬に対する暴露との関係には関連性は認められなかった。

結論:アトピー性皮膚炎乳児は、室内と室外での空気アレルゲンに対して高い発生率で遅延感作されており、経皮水分蒸散量(TEWL)も高く、空気アレルゲンに対する感作率もより高いことが解った。アトピー性皮膚炎の乳児において早期のアトペン感作の成立には構成的な皮膚バリア障害が主要な役割となっていることがこれらのデータで支持された。(Dr.Kawano訳)

Dr.Satoの気になる文献

■重度片側非反応性乾性角結膜炎の若年ヨークシャーテリア16頭
Severe, unilateral, unresponsive keratoconjunctivitis sicca in 16 juvenile Yorkshire Terriers
Vet Ophthalmol. 2007 Sep-Oct;10(5):285-8.
Hector Daniel Herrera, Nathalie Weichsler, Jose Rodriguez Gomez, Jose Antonio Garcia de Jalon

目的:重度片側性乾性角結膜炎の16頭の若年ヨークシャーテリアにおける眼科所見、臨床データ、治療結果を述べる

結果:極度の片側眼乾燥を示す16頭の各犬は、眼瞼痙攣、粘液様滲出液、角膜血管新生が見られた。それらの犬の年齢は、来院時5ヶ月から4歳齢の範囲だった。罹患眼の平均シルマー涙試験(STT)結果は、1mm/minだった。0.2%シクロスポリン点眼でSTT値が改善した犬はいなかった。いくらかの犬で20%硫酸コンドロイチン眼科溶液の点眼で臨床症状は主観的改善を見せ、3頭の犬は耳下腺管移植を行った。1頭の組織病理検査は、眼窩涙腺組織の存在を示さなかった。臨床症状、来院時の年齢、疾患の重症度、治療の反応欠如は犬種関連片側性の涙腺の無形成または発育不全に一致する。

結論:涙腺無形成または形成不全は、特にメスのヨークシャーテリアで、重度片側性眼乾燥を持つ若い犬で考慮すべきである。(Sato訳)

若いヨークシャーテリアのKCSは気をつけましょう

はみだし文献訳

■CADESI-03の確証:アトピー性皮膚炎の犬を用いた臨床試験の重症度スケール
Validation of CADESI-03, a severity scale for clinical trials enrolling dogs with atopic dermatitis
Vet Dermatol. April 2007;18(2):78-86.
Thierry Olivry, Rosanna Marsella, Toshiroh Iwasaki, Ralf Mueller, International Task Force On Canine Atopic Dermatitis

犬でアトピー性皮膚炎(AD)は、薬剤による治療を必要とする一般的で慢性アレルギー皮膚疾患である。過去30年の間に、抗炎症薬の効果の多くの臨床試験が報告されているが、結果測定値の評価で一貫性が欠けている。いくつかの臨床スケールがその時々に使用されているが、それらのスコアリングシステムで妥当性と信頼性を試験したものはこれまでになかった。International Task Force on Canine Atopic DermatitisはADのヒトおよび犬で疾患罹患率の評価に使用する現在利用可能なスケールを評価し、犬アトピー性皮膚炎範囲と程度の指数第3バージョン(CADESI-03)を作った。
このバージョンは、試験するからだの部位を増やし再分布すること、隠れた痒み(例えば自己誘発脱毛)を反映する追加病変の使用、各病変の程度を示す数の範囲を増やすことにより過去の物から発展させた。CADESI-03スケールはADの犬38頭の集団で、妥当性と信頼性を検査した。このCADESIの改定バージョンは、総体的に許容できる内容、構築、診断基準、変化に対する観察者間、観察者内信頼性と感受性を示すことがわかった。結果として、このスケールはADの犬における治療効果の臨床試験で疾患程度を評価する確実な手段として推奨される。(Sato訳)

甲状腺

■甲状腺機能低下症の犬の治療前と治療後の超音波検査
Pre- and post-treatment ultrasonography in hypothyroid dogs
Vet Radiol Ultrasound. 2007 May-Jun;48(3):262-9.
Olivier Taeymans, Sylvie Daminet, Luc Duchateau, Jimmy H Saunders

原発性甲状腺機能低下症は成犬によく見られる内分泌障害である。しかし、よく使用される生化学検査の正確性が比較的低いことから偽陽性診断も一般的である。この研究の目的は、甲状腺機能低下症の犬の甲状腺の超音波検査特性を述べることと、臨床徴候及びゴールドスタンダードの生化学甲状腺検査と組み合わせて使用するグレースケール超音波検査の診断感受性を算出し、また甲状腺機能低下症の治療後の超音波検査特性の進展を調査することだった。
18頭の犬を遡及的に研究した。初回来院時にすべての犬に超音波検査を行い、それから13頭の犬は1,2回の追加超音波検査を行った。初回来院時、エコー源性低下の感受性は76.5%(95%CI[50.0-93.0%])、不均質性は64.7%(95%CI[38.3-85.8%])、不規則な被膜描写は70.6%(95%CI[44.0-89.7])、異常な葉形は64.7%(95%CI[38.3-85.8%])、甲状腺体積の相対的減少は47.1%(95%CI[23.0-72.2%])だった。それら5つのパラメーターを組み合わせると、初回来院時で後天性甲状腺機能低下症の検出でグレースケール超音波検査の全体の感受性は94.1%(95%CI[71.3-99.9%])だった。甲状腺体積の持続的減少は治療後も見られたが、他の調査したパラメーターは追跡期間中有意に変化しなかった。最終来院時に正常と考えられる甲状腺はなかった。グレースケール超音波検査は犬の原発性甲状腺機能低下症の診断において感受性があり素早くできる検査である[Sato訳]

掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs


●Dr.Xの今週のひとこと

獣医三学会の年次大会が香川県で開催されました。あいにくの天候にもかかわらず、たくさんの参加者に恵まれ盛況だったの事です。
この学会はテーマにダックスフントの種特異的疾患があげられていました。
やっぱりミニチュアダックスには、先天的な問題が多いようです。

ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫

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【発行者】 Sato
訳者:編集委員 Dr.K Dr.Kawano 圓尾拓也 Dr.UGA Dr.HAGI

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