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| 教師の“知恵”.netがお届けする教育MM「教師の“知恵”ぶくろ」 2008年1月9日 No272 読者数(5104人) このメールマガジンはオンラインでご覧ください |
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| 01.【国語】◆「三文スピーチ」で発言力を鍛える 香月正登@山口県下関市立滝部小学校 |
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| 1 はじめに 私たちは、子どもたちが生き生きと自分の思いを語り、話し合いを通して温かい仲間関係を築いたり、新しい発見を見つけたりする姿を求めています。しかし、子ども任せで子どもたちのコミュニケーションの力が育つわけもなく、そこにはやはり指導が必要です。これまで、コミュニケーションの力を育てる指導として「声作りの指導と評価」「聞く力を育てる10のアイテム」「リスニング・コミュニケーション」を「知恵ネット」でご紹介して参りましたが、今回は、「話すこと」の指導として「三文スピーチ」をお示しします。 さて、この「三文スピーチ」もそうなのですが、私は、「指導を日常化する」ことがとても大事だと考えています。トピックでは、それはそれ、これはこれで終わりです。しかし、日常化することもとても大変で、負担に感じたり、飽きがきたりしては効果半減です。もしかしたら、弊害の方が大きくなってしまうかもしれませんね。 そこで、まずは「指導を日常化する」ための条件です。次の3つのことを大事にしたいと考えています。 ○ 手軽にできて、子どもたちの負担も少ない。 ○ いろいろな場面で使うことができる。 ○ 発展性がある。 2 「三文」であることの意味 次に形の問題です。これらの条件を生かすも殺すも、どんな「形」を選択するかにかかっています。「話すこと」の指導でよく行われているのは「30秒スピーチ」「1分間スピーチ」などの時間で区切るスピーチの形でしょう。 しかし、これらのスピーチの問題は、スピーチの内容と時間が必ずしも結びついておらず、指導も大変です。ましてや「3分間」などとなってしまうと、子どもたちの負担は大です。スピーチの機会も非常に限られてしまいます。だからこそ「三文スピーチ」です。 少し話が横道にそれますが、「三」という数字は大変魅力的な数字です。大昔、人類が数字を発明した最初の頃、人々は、一と二と「たくさん」で用がたりていたそうです。しかし、文明の進歩でそうもいかなくなって、三、四、五・・となっていったのだそうですが、つまり、「三」という数字は、「たくさん」の最小数字をあらわしているのです。 ということは、「三文」は、論理形式の最小単位ということになります。しかも、内容との結びつきも強く、負担は少ない、バリエーションも豊富と、様々な可能性を秘めています。何気なく使っている「はじめ」「なか」「おわり」は、まさに基礎・基本なのです。 3 「三文スピーチ」の実際 前置きが長くなってしまいましたが、では「三文スピーチ」の実際です。私の学級では、朝の会の5分間をこの時間に当てて、リレーのように次々とスピーチをしていきます。おおよそ、この5分間で10人ぐらいのスピーチが可能です。 この火曜日から昨日まで日課表をなくして大変でした。 ○○くん、○○くん、○○くんと順番に電話をかけたのです。 昨日、受話器をおいたとき、母さんが出現してカバンから日課表を出しました。 ぼくは、このシーンは前にも見たなということがあります。 きっと、正夢だと思います。 昨日の夜、飛行機が落ちる夢を見ました。 私のおじいちゃんは、少しプーさんに似ています。 夏休みに、「おじいちゃんってプーさんに似ているね」と言いました。 この前、おじいちゃんの家に行くと、プーさんの時計が飾られていました。 私が習い事から帰るとき、とても背の高い木があります。 なので、大木くんという名前をつけています。 もう二本、木が並んでいたので、細木くんと鈴木くんと名付けました。 土曜日と日曜日に女子のサッカーがありました。 この試合に勝てば、中国大会に行けます。 去年は行けなかったけど、今年は行けるのでうれしいです。 昨日、二階からストーブを持って降りていると、いっしょに転げ落ちました。 ぼくもストーブもボロボロになりました。 冬が越せるか心配です。 今、私は髪の毛があることがとてもうれしいです。 幼稚園のとき、病気の薬のせいで髪の毛が一本もありませんでした。 もう二度とあんな病気にはなりたくありません。 最近のスピーチの中からいくつかご紹介しましたが、このスピーチとスピーチの間に「うまいね!」「すごいよ!」「おもしろい!」「OK!」などテンポよく評価を挟んでいくこともありますし、一つ、二つ取り出して指導を加えていくこともあります。中でも気を付けているのが次の3つです。 (1)文意識を育てる 子どもたちの発言もそうですが、私たち教師の話もよく聞いてみてください。何と一文が長いことか。話の初めから終わりまで、句点が一つしかなかったなんてことはよくあることで、この文意識をもたせることは、わかりやすい話の基礎の基礎です。 「・・・で、・・・で、・・・です。」と一文の中に三文も、四文も盛り込まれている場合には、必ず句点で切らせて、はっきり何文でできているかを確かめましょう。「一文に一つの情報」を徹底させるだけでも子どもたちのスピーチは変わってきます。 (2)構成意識を育てる そして、このベースに乗って、構成意識を育てます。実は、私が行っている「三文スピーチ」には、次のような条件がついています。 一文目は・・「つかみ」 二文目は・・「具 体」 三文目は・・「笑いと感動」 これが構成(文の役割)の形です。一文目では、題材のよさが生きてきますし、二文目では、どういう具体を切り取ってくるかが鍵を握ります。そして、三文目で、聞き手の予想をくつがえしたり、すっと心に入ってくる言葉を使ったりすると、教室は笑いと感動です。 もちろん、これは基本形です。慣れてくると、子どもたちはいろいろなパターンを考え出してきます。頭括型、双括型、尾括型といった文章構成、擬人法や比喩といった表現方法などの指導を入れていくチャンスです。 (3)「三文スピーチ」を記録する 「三文スピーチ」は短いだけに、聞き手も集中して聞いています。ですから、反応もかなりリアルです。大爆笑を誘うときもありますし、うまくいかないときもあります。そういう聞き手の反応を見て、自分の「三文スピーチ」をノートに記録していきます。もちろん、練り直しOKです。そのままでも構いません。こうした記録の蓄積がスピーチの質を高めていきます。 4 広がる「三文スピーチ」 「三文スピーチ」は、いろいろな場面で活用することができます。地域の方との交流会のときも、学級PTA活動のときも「三文スピーチ」で、子どもたちみんながお礼を述べました。 学習のまとめを「三文スピーチ」させることもあります。長い文章を読んで、三文を抜き出させることもあります。三文で文章を考え、一文一文の内容を膨らませて、作文として仕上げることもあります。「三文」はやはり基本形です。 この「三文スピーチ」は始めてからすでに7ヶ月も経つのですが、あきるどころか、ますますパワーを増しています。朝のスタートが笑いで始まるのが何よりも嬉しいことです。子どもたちのネタを見つける目も鋭くなっています。 |
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