毎週月曜日発行第310号
まぐまぐID:0000081728
melma ID:m00063306
| 年末、大きな病気がなく、健康に過ごしてもらいたいです。残り物のケーキとか、から揚げ食べないように・・・ |
CONTENTS
●症例検討
●Dr.UGAの気になる文献
●Dr.HAGIの気になる文献
●Dr.Kawanoの気になる文献
●Dr.Satoの気になる文献
●はみだし文献訳
●腎周囲液
●掲示板から
●Dr.Xのひとこと
■症例検討
皆さまのご意見又は症例をお待ちしております。診断、治療プロトコールなど、情報交換を行っていければと思っています。頂いたご意見は、まとめて次号からお送りしようと思っています。
●Dr.UGAの気になる文献
■がんを患う犬と猫における大腿静脈アクセスポート(VAP)の有用性
Use of vascular access ports in femoral veins of dogs and cats with cancer
J Am Vet Med Assoc. November 2007;231(9):1354-60.
Alane Kosanovich Cahalane, Kenneth M Rassnick, James A Flanders
目的:がん治療中の犬猫の大腿静脈に埋め込んだVAPの長期的機能を評価すること。
統計:前向き症例検討。
動物:化学療法もしくは放射線療法の治療を行った犬3例と猫6例。
方法:VAPを手術により静脈に埋め込み、犬3例と猫6例に対して1年以上維持した。注入口は胸部後方部もしくは腸骨部に設置した。VAP機能の維持期間、VAPを介した注入と吸引の容易度を記録するとともにVAPの合併症も評価した。また、オーナーのVAP埋め込みに対する満足度をアンケートにより調査した。
結果:VAPは、血液採取、鎮静剤の投与、化学療法の投与が主な使用方法であった。注入が可能であった期間の中央値は147日(範囲:60日〜370日)であり、吸引採血が可能であった期間の中央値は117日(範囲:10日〜271日)であった。VAPに関連した動物の不快感はあまり認められず(全体の7%)、オーナーはVAPの使用の決断に満足していた。合併症にはVAPの部分的閉塞(n=7)、完全閉塞(n=2)、入り口の移動(n=1)、そして感染症の疑い(n=1)がみられた。
結論と臨床関連:大腿静脈へのVAPの埋め込みはがん治療中の犬猫の静脈への継続的なアクセスを可能とすることが示された。(Dr.UGA訳)
●Dr.HAGIの気になる文献
おやすみ
●Dr.kawanoの気になる文献
■アトピー性皮膚炎と非アトピー性皮膚炎の犬における血清総IgG1濃度の検査
Examination of serum total IgG1 concentration in atopic and non-atopic dogs.
J Small Anim Pract. 2004 Apr;45(4):186-90.
Fraser MA, McNeil PE, Gettinby G
この研究において、異なるレベルの寄生虫コントロールをしたアトピー性皮膚炎の犬と非アトピー性皮膚炎の犬における血清免疫グロブリンG1(IgG1)濃度を測定した。厳密な寄生虫コントロールをした非アトピー性皮膚炎は、厳密な寄生虫コントロールをしなかったアトピー性皮膚炎あるいは非アトピー性皮膚炎の犬に比べ、明らかに血清総IgG1濃度が低かった。アレルゲン特異的免疫療法(ASIT)の6ヶ月後のアトピー犬の血清総IgG1濃度検査において、血清総IgG1濃度は明らかに増加した。血清総IgG1濃度は寄生虫、アトピー性皮膚炎そしてASITに影響を受けることが提唱される。(Dr.Kawano訳)
●Dr.Satoの気になる文献
■犬18頭、猫9頭の医原性坐骨神経傷害(1997-2006)
Iatrogenic sciatic nerve injury in eighteen dogs and nine cats (1997-2006)
Vet Surg. July 2007;36(5):464-71.
Franck Forterre, Ales Tomek, Ulrich Rytz, Leo Brunnberg, Andre Jaggy, David Spreng
目的:紹介教育病院に入院した(1997-2006)犬猫で、医原性末梢神経傷害に関与する臨床特性を報告する
研究構成:遡及研究
動物:犬18頭、猫9頭
方法:患者は治療後発症した坐骨神経機能不全による単不全麻痺の急性症状を示した。神経学的検査と電気診断検査を実施した。外科的治療は他の症例で使用した神経包括及び遅延再建手術を使用した。
結果:神経傷害を持つ27頭のうち、25頭は手術により起きた(18頭は骨盤傷害の治療)。腸骨仙骨脱臼整復は脛骨(猫4頭)及び腓骨(犬3頭)神経機能障害を起こした。他の原因は、大腿骨折の髄内ピンニング(3)、他の整形外科手術(骨盤セメント人工関節(2)、脛骨プラトー平坦化骨切術(1))、会陰ヘルニア縫縮(1)だった。神経傷害は筋肉注射後発生した(猫1頭、犬1頭)。即座の外科治療は、髄内ピン除去、セメント押し出し、または包括縫合だった。遅延神経移植を2頭の犬で行った。1年以内に13頭は完全に回復し、7頭で臨床改善、7頭では改善が見られなかった。回復しなかった7頭のうち5頭は、寛骨臼または腸骨骨折だった。
結論:医原性坐骨神経傷害は、多くが骨盤の整形外科疾患の治療中に発生し、予後は悪かった。犬猫の坐骨神経機能不全の臨床変動は、種の解剖学的相違により説明できる。
臨床関連:医原性坐骨神経傷害は、完全機能回復に対する不確かな予後を持つ重度消耗性運動機能障害を引き起こす。(Sato訳)
骨盤周囲の外科手術、筋肉注射は坐骨神経に注意しなければいけません。
●はみだし文献訳
■自発犬単核細胞性エールリヒア症(Ehrlichia canis)の眼症状:90例の遡及研究
Ocular manifestations of natural canine monocytic ehrlichiosis (Ehrlichia canis): a retrospective study of 90 cases
Vet Ophthalmol. 2007 May-Jun;10(3):137-42.
Anastasia A Komnenou, Mathios E Mylonakis, Vassiliki Kouti, Lina Tendoma, Leonidas Leontides, Eugenia Skountzou, Angelos Dessiris, Alex F Koutinas, Ron Ofri
目的:Ehrlichia canisによる自発犬単核細胞性エールリヒア症(CME)に関する眼症状のスペクトラム、罹患率、治療反応率を調査すること
方法:原発性眼疾患とE. canis血清抗体陽性反応で入院した90頭の犬の医療記録を再調査した。全ての犬は経口ドキシサイクリンで治療した。79頭で全身性コルチコステロイドおよび/または抗炎症剤、散瞳/毛様体筋麻痺薬点眼、抗菌剤の併用で治療した。
結果:犬の年齢は0.5-15歳でオス55頭、メス35頭だった。合計19犬種がいた。多くの犬は、眼の異常と共に他のCME誘発臨床症状が併発していた。90頭中30頭は眼症状が唯一の主訴だった。片側(22/90、24.5%)および両側(68/90、75.5%)ぶどう膜炎が最もよく診断され、58頭(64.5%)が前、8頭(8.9%)が後、24頭(26.6%)が汎ぶどう膜炎に分類された。両側ぶどう膜炎は片側よりも有意に一般的(P<0.0001)で、前ぶどう膜炎は後ぶどう膜炎(P<0.0001)または汎ぶどう膜炎(P<0.0001)より有意によく見られた。また、角膜潰瘍(12/90、13.3%)、壊死性強膜炎(10/90、11.1%)、涙産生低下(8/90、8.9%)、眼窩蜂巣炎(3/90、3.3%)も見られた。十分追跡調査できた45頭(50%)中、25頭(55.5%)は完全に治療に反応し、11頭(24.5%)は部分的、9頭(20%)は治療の反応は悪かった。眼症状の完全解消を見せた犬の頭数は、部分的(P<0.0001)、反応が悪い(P<0.0001)の頭数より有意に多かった。
結論:疾患が流行っている地域に住んでいる犬で、広範囲の眼症状を呈した場合、CMEを主要鑑別に加えるべきである。両側前ぶどう膜炎は、最も見られる眼病変で、全身および局所治療に対する良好な結果が罹患犬の多くで期待できると思われる。(Sato訳)
●腎周囲液
■急性腎不全の犬猫の腎周囲滲出液
PERIRENAL EFFUSION IN DOGS AND CATS WITH ACUTE RENAL FAILURE
ANDREW HOLLOWAY, ROBERT O'BRIEN
Veterinary Radiology & Ultrasound 48 (6), 574-579
腎周囲液体貯留は尿漏出、出血、膿瘍、腫瘍の超音波検査特性として述べられている。この遡及研究の目的は、急性腎不全の犬猫における追加超音波所見として腎周囲滲出を報告することだった。18頭の急性腎不全の原因は、腎毒性(4)、レプトスピラ症(3)、腎臓リンパ腫(2)、尿管腎結石(2)、前立腺尿道閉塞(1)、間質性腎炎と尿管炎(1)だった。3頭には基礎原因が認められなかった。
腎周囲液の超音波所見は、15頭の両側にみられた。2頭の片側性腎周囲液は、尿管閉塞の同側に認められた。大量の浸出液は尾側後腹膜腔に伸びていた。腎実質性疾患を示唆する追加の超音波所見は、軽度(5)、中程度(5)、重度(2)腎盂拡張、腎臓エコー原性の増加(11)、腎臓の大きさの増加(9)または減少(2)、尿管および/または腎結石(3)だった。腎周囲液量と腎機能不全の程度に関係は見られなかった。大量の浸出液を持つすべての動物は安楽死した。急性腎不全で起こる腎周囲液は、腎周囲と後腹膜結合組織内のリンパ排液を上回る腎間隙への尿細管逆漏に関係する限外濾過液と考えられるが、尿の流れに対する閉塞も原因の1つかもしれない。限局性腎周囲後腹膜のフリーな液体は、腎疾患を疑われる動物の特性、予後判定を補助する有効な超音波検査特性と思われる。(Sato訳)
●掲示板は http://6829.teacup.com/vmagazine/bbs
ハチミツ 投稿者:根無し草 様
質問です。子イヌに対してはハチミツを給餌しても問題はないのでしょうか?
ヒト乳児は「ボツリヌス菌症」の問題があり、生後一年は禁忌となっています。いけない理由は子イヌも乳児も変わりはないように思うのですが、子イヌの腸管内の細菌叢は毒素に対応しているのでしょうか?
最近、何社かから「ハチミツ入り」とか「プロポリス」とか記載のある栄養補助食品が並んでいます。患者さんからも聞かれたのですが、はっきり返答できませんでした。
「良い」のか「悪い」のか、そしてその根拠はどこに記載されているのか、ご存じの文献や資料がありましたらご教示ください。
お願いします。
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●Dr.Xの今週のひとこと
おやすみ
★ご意見ご要望、Q&A、お待ちしております。特集を組んだりもいたしますので、テーマも募集しています。
≪掲示板を設置したので、そちらに書き込んでもらってもかまいません(^o^)丿≫
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