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2007年12月18日発行 |
1ランク上の保険と資産運用の話(第119号) |
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確定給付企業年金のすべてこの本、おそらく日本生命が作成して年金基金や企業に配った資料を書籍化したものだと思いますが、値段も手ごろで確定給付企業年金の話がよくわかる内容に仕上がっています。難点を言うのであれば、日本生命の同じ部署が出版している確定拠出年金の本より表現が難しいこと?ではないでしょうか もっと端的に言えば、絵が少ないということです。… |
あなたの暮らしが世界を変える出版元の「山と渓谷社」は元々、登山者向けの雑誌「山と渓谷」を発行している会社です。環境問題の本を出版するにはとても似つかわしいのかもしれません。環境問題は、サミットなどでも取り上げられて注目を浴びていますが、この本は、個人のレベルでできることに焦点を当てて、やさしく書かれたイラスト入りの本です。 |
資産と負債のミスマッチが重大な危機をもたらす
セントルイス地区連銀のレポート
今回のレポートは、セントルイス地区連銀が発行しているレポートの2006年7・8月号、ボストン大学のボディ教授の記事(以下、「原レポート」といいます。)を中心に構成します。原レポートの中心的な話題となっているのは、米国のPBGC(年金給付保証会社)という組織の赤字が拡大しているという内容です。一言で赤字といいますが、ここでは、(確定給付)年金の積立不足を指しています。
年金の積立不足とは、将来年金を支払うことになるが、そのために現時点で貯めておかなければならないお金(負債)に、実際に積立ててあるお金(資産)が足りない状態をいいます。
PBGCには、事業主が倒産してしまい行き場のなくなった年金基金の資金が移管され運用される仕組みになっています。ここで、移管される金額が積立不足の状態になっていると、追加的な保険料(特別保険料)を徴収して、積立不足を解消する必要があります。ところが、多くの年金基金では、株式を主流に投資をしていたため積立不足に陥ってしまっている場合が少なくなく、結果的に、PBGC全体での積立不足が拡大していると主張しています。
なぜ株式に投資したか?
一般的にリスクが高いと思える株式になぜ投資したのか?それは株式に投資したときと債券に投資したときの費用が異なっていたからであるとボディ教授は指摘しています。
それは図1のような仕組みです。左側の図が債券の場合です。数十年後に必要になる年金給付のために一定のお金を準備しておく。そういうイメージです。一方、株式の場合は債券より高い割引率が期待できます。したがって、現在準備しておく金額(費用)も少なくてすむわけです。(右の図)
年金の掛金が企業にとって費用であることを考えればどちらが有利であるか明白ですよね。
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図1株式と債券の費用の比較
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ボディ教授はこの判断に苦言を呈しています。つまり、運用アドバイザーやアクチュアリーは、長期間の投資であれば、株式のリスクは低減されるという判断は正しくないとしています。
確かに、長期の分散で低減されるのは年換算したリスク(標準偏差)であり、標準偏差自体は大きくなっていくのでそのとおりです。
結局、年金基金に株式の下方リスクを受け容れるだけの余裕がない場合には、たとえば、保険のようなものでリスクをヘッジする必要があります。このリスクヘッジには費用(保険料)が必要になります。保険料まで含めて考えると、相当のコストが必要になります。
図2 必要となる保険料
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ミスマッチの影響
ボディ教授はすでに1990年代初頭に連邦政府の依頼により、下記のような警鐘を発しています。
ボディ教授が1990年代初頭に発表した論文の要旨
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そして、今回の原レポートの結論も同じようなものです。つまり、既存の確定給付年金を強化しようとする保険システム(PBGC)の存在が、健全な年金基金の確定給付年金からの逃避を促し、結果的に、確定給付年金の存在を危うくしているというものです。
アナリシス
ボディ教授の示唆は、海を越えて、私たち日本の個人にも当てはまることです。資産と負債のミスマッチが、重大な問題を引き起こすという因果関係は、アメリカに限った話でも、年金基金という機関投資家に限った話でもありません。
原レポートの例では、年金基金は会計上のインセンティブが働いて株式投資に傾倒したことになっていますが、個人投資家であれば過度に短期金融資産などに配分をしていた場合も同じでしょう。負債は、非常に債券と相性のよい変動をしているのだから、資産もそのようにある(マッチングしている)べきなのです。
この記事の内容は、すべて「月次統合レポート」に収録されています。
編集後記
曹洞宗大本山総持寺。皆さまご存知ですか?禅宗のひとつである曹洞宗の総本山の一つ(もう一つは福井の永平寺)です。
そこで、参禅会に参加してきました。つまり、座禅です。私が参加したコースは、初心者向けの、ほんの短い時間のものであったのですが、足が痛くなり、背中が痛くなり、日ごろの不摂生を思い知らされる結果となりました。
バームスコーポレーション 杉山
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