| 号 | あらすじ |
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| (0) | 2月19日発行の1号からお読みください。
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「K」と呼ばれる店にはクラシック音楽の
コレクションがあり、彼はいつも愛着のある席に座
る。
一年半ほど前に、彼は「K」でけい子と 知り合い、親しくなるが不本意な別れ方をする。帰 り道にある「スナック」でルミに出会い、その部屋 に通うようになる。 「K」でけい子邂逅し、その部屋を訪れると、ルミ について詰問された。 |
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彼はずっとルミに付きまとっていたケンという男に
脅された。けい子の部屋に行くが、引っ越した後だ
った。彼は懸命に彼女への繋がりを探した。
ルミと別れようとするが、出来ずに抱いてしまう。
彼はルミの肉体については知っている。一方、けい 子の存在は「6の感性」で感じているのだ。 彼は「K」とアパートの周辺でけい子を待つことに した。 |
例のアパートと最寄り駅との間を往復する時間を、
休日は午後5時から、平日は午後7時からと決めた
訳は、休日が「スナック」の休業日であり、また平
日の6時半がルミの出勤時間なので、出会いを避け
ることができるからである。
彼はもうルミと会うまいと決心していたが、どうし
ても別れの言葉が言えなかった。この前の最後の夜
、黙り続ける彼に、
「ねえ、ねえ」
と話しかけるルミの言葉の調子が、みるみる痛々し
い悲嘆へと変わっていって、今にも泣き出しそうな
気配になったことが思い出された。
その愚かしいまでの献身と、弱々しく哀願するよう
な瞳に向かって、
「別れよう」
の一言が言えるはずはなかった。
通信販売のパンフレットを見るたびに何かを送りた
くなり、一度は、申込書に記名捺印までしたが、結
局のところ破り捨ててしまった。
また、テレビ・ショッピングで声高に告げるの番号
に、何度か電話してみたが、オペレーターの一声を
聞いてだけで、慌てて切ってしまったこともあった
。
「さようなら」
という一行だけの手紙を書いたが、どうしても宛名
を書き終えることができなかった。
今夜もまたルミは深夜の自室で彼を待ち続けている
にちがいない。
近づいてくる足音に期待しながら、彼のために酒を
買出し、肴を用意しているだろう。彼のために洗濯
物にアイロンをかけ、綺麗に折り畳んで取って置き
の紙袋に詰めているのかもしれない。彼のために新
しいモーツアルトのCDを買ってきているかも。彼
のために、彼のために、彼のために・・・。
「どんなに待っていても、彼がもう決してくること
はないんだよ」
と耳元でそっと言葉だけを送りたい。いや、この言
葉はルミを絶望の淵に突き落とすにちがいない。そ
の確信だけを、できれば本人の気付かない間に、心
の中に植えつけたかった。
彼の来ない日々が続いて、いずれ別れの事実を悟る
ことになるだろう。ジョージとかいうの悪いバーテ
ンダーに騙されてヤケになったという、ルミの昔話
を思い出した。
天上の神のように、そっと見守っていてやりたかっ
た。しかし、神でない彼はそんなことが出来るはず
もなかった。
偶然に「スナック」の扉が開いて、飛び出してきた
可哀想なルミを、力いっぱい抱きしめてやりたい。
そんなふと起こる衝動を、彼は耐え忍ばなければな
らない。
別れるということは、何もしてはいけないというこ
とである。時の経過が解決してくれることを、沈黙
しながら祈っていることしかできないのだ。
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「6の感性」
の詳しい説明は |
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